財務報告関連実務ニュース


在外子会社の会計処理の当面の取扱い、
見直しは2項目に限定
(14/10/17)

 企業会計基準委員会は中断していた実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の見直しに着手した。今回は(1)米国会計基準(非公開会社)のASU第2014−02号への対応(のれんの会計処理)、(2)「少数株主損益の会計処理」の修正項目を削除する。修正国際基準の公開草案が公表されるなど、状況の変化がみられるため、必要最小限の項目に絞った格好だ。したがって、これまで検討していた「資産性金融商品のOCIオプションに関するノンリサイクリング処理」「金融負債の公正価値オプションにおけるノンリサイクリング処理」は今回の見直しの対象外とする。同委員会では、修正国際基準決定後に改めて実務対応報告第18号を包括的に見直すか否か検討する。

 今回見直しが行われるのは、米国会計基準(非公開会社)のASU第2014−02号への対応(のれんの会計処理)だ。米国会計基準では、原則としてのれんは償却されていないが、非公開会社はのれんを償却する代替的な会計処理を選択できるようになっている。このため、実務対応報告第18号では、ASU第2014−02号の適用初年度の期首に存在するのれんについては、(1)連結上の残存償却年数を継続するか、又は(2)在外子会社におけるASU第2014−02号の代替的な会計処理に基づく償却年数を連結上でも用いることになるが、どちらの方法を採用するかについては各企業の状況に応じて判断する旨の考え方を示す方針だ。

 また、現行の実務対応報告第18号において修正項目となっている「少数株主損益の会計処理」については削除する。これは、平成25年9月13日公表の改正企業結合会計基準等により、IFRS及び米国会計基準と同様の取扱いが定められたからである。

 なお、適用は平成27年4月1日以後開始する連結会計年度に係る連結財務諸表からとする。早期適用も認める方針。また、遡及適用することの実務上の負担は大きくないものと想定されるため、経過的な取扱いは定めない方向となっている。



財務報告関連実務ニュース一覧へ