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連結納税適用の場合の地方法人税に係る
税効果の取扱いが明らかに
(14/09/24)

 企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成26年度の地方法人税法(平成26年10月1日施行)の創設を踏まえ、実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」などの見直しに入った。連結納税制度を適用している場合の地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断について、法人税と同様の具体的手順を示す方針だ。実務対応報告の公開草案は9月を目途に公表される見込み。年内にも正式決定される運びだ。公表日以後適用されることになる。

 今回の実務対応報告の見直しは、平成26年度税制改正において地方法人税法が創設されたことに伴うもの。連結納税制度を適用している場合の地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断について、法人税と同様の具体的手順を示すとしている。

 地方法人税法では、連結納税制度を適用している場合、地方法人税の課税標準である基準法人税額は、連結事業年度の連結所得の金額から計算した法人税の額とされており、地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断は個別所得見積額だけでなく、他の連結納税会社の個別所得見積額も考慮して行うこととなる。このため、連結納税制度を適用した場合の地方法人税に係る税効果会計の考え方は、法人税と同様の取扱いになるとしている。したがって、連結納税主体の連結財務諸表において地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性は、連結納税主体を一体として判断することになり、改正案ではその旨の記載を追加する等の見直しを行う方向だ。

 また、連結納税制度を適用する場合の連結所得及び連結法人税額は連結納税会社ごとに把握できる。このため、改正案では連結納税会社の個別財務諸表において、地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は、連結納税会社ごとに計算される旨の記載を追加する等の見直しを行う方向となっている。

 今後、企業会計基準委員会では9月中を目途に実務対応報告の公開草案を公表し、2か月程度の意見募集を行う予定。年内には正式決定される運びだ。改正後の実務対応報告は、公表日以後適用される。なお、その適用については会計方針の変更とは取り扱わないとしている。



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