金融庁はこのほど、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案を公表した。これは、金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書の提言を踏まえての改正(関連ニュース「クラウドファンディング解禁等に向け報告書が正式公表」を参照)。金融庁では、7月30日までパブコメを求めている。 改正案では、まず、現行法で禁止されている有価証券の募集・売出しに係る届出前勧誘(有価証券届出書を届け出る前に勧誘行為を行うこと)に該当しない行為が明確化されている。 現行の「第三者割当を行う場合であって、割当予定先が限定され、当該割当予定先から当該第三者割当に係る有価証券が直ちに転売されるおそれが少ない場合(例えば、資本提携を行う場合、親会社が子会社株式を引き受ける場合等)に該当するときにおける、割当予定先を選定し、又は当該割当予定先の概況を把握することを目的とした届出前の割当予定先に対する調査、当該第三者割当の内容等に関する割当予定先との協議その他これに類する行為」に加えて、次のような行為が有価証券の取得勧誘又は売付け勧誘等には該当しない旨例示されている。
これにより、一般的な情報発信やいわゆるプレヒアリングについては、届出前勧誘に該当しないことが明示されることになる。 現行の金融商品取引法の下では、上場企業が有価証券を発行し投資者に取得させるには、有価証券届出書を提出した後7日間の待機期間を確保することが必要とされている。この点、今回の改正案には「特に周知性の高い企業」が行う有価証券の募集・売出しのうち、対象有価証券の取得・買付けの判断を比較的容易に行うことができるといえるような場合に限定して、待機期間を撤廃する案も盛り込まれている。 具体的な要件は次の通り。 (1)有価証券届出書の届出者が次に掲げる全ての要件を満たすこと。
(2)次のいずれかに係る届出であること。 1)上場株券又は店頭登録株券に該当する株券の募集又は売出し
こういった要件を満たす場合、資金調達に係る期間が短縮され、迅速なファイナンスが可能になることになる。改正後の規定は、8月下旬以降に公表する予定だ。 |
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