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金融・資本市場活性化に向けての提言が公表
(13/12/18)

 金融・資本市場活性化有識者会合(事務局:金融庁)は12月13日、「金融・資本市場活性化に向けての提言」を公表した。これは、「成長戦略の当面の実行方針」(平成25年10月1日の日本経済再生本部決定)に基づき、急きょ取りまとめられたもの。

(1)豊富な家計資金や公的年金等が成長マネーに向かう循環の確立
(2) アジアの潜在力の発揮、地域全体としての市場機能の向上、我が国との一体的な成長
(3)企業の競争力の強化、起業の促進
(4)人材育成、ビジネス環境の整備等

の4つの分野について、それぞれ2020年の姿を想定した上で、それまでの7年間で取り組むべき施策を取りまとめている。

 (1)については、IFRSの任意適用の着実な積上げ等により、市場環境・市場の魅力の向上を図るとしている。

 (2)については、海外発行体にとっての利便性が高い東京プロボンド市場の活性化を図るとともに、日本版ダボス会議の創設の検討が提案されている。

 (3)については、現行で約5%の開業率について、2020年までに10%へ倍増させるために、クラウドファンディングの本格整備や、新規上場時の負担軽減による上場促進等を図るとしている。また、競争力強化のためにはガバナンス強化が不可欠であるとして、社外(独立)取締役の導入促進や日本版スチュワードシップ・コードの早期策定が掲げられている。

 (4)については、「金融の専門家、弁護士、会計士等の金融関連人材、医師やナニー(ベビーシッター)等の高度人材の生活に必要な人材については、ビザ要件を緩和する等我が国への入国・滞在を阻む要因を取り除き、積極的に受入れることが必要」としている。

 日本版ダボス会議の創設等一部の項目を除けば、ほとんどがすでに公表済みの施策を列挙しただけともいえる。東京オリンピックの2020年までに日本に与えられた成長機会の7年間をどのように金融面からサポートしていくのか、金融庁のかじ取りが問われている。



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