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在外子会社の会計処理の改正案が明らかに
(13/10/17)

 企業会計基準委員会(ASBJ)が現在検討している実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」の改正案が明らかとなった。修正項目として「資本性金融商品の組替調整処理」及び「公正価値測定を選択した金融負債に関する組替調整処理」を追加。また、改正企業結合会計基準等が9月13日に公表されたことを受け、修正項目から「少数株主損益の会計処理」を削除する。平成26年4月1日以後開始する連結会計年度に係る連結財務諸表から適用する(早期適用も可能)。ただし、改正企業結合会計基準等の適用は平成27年4月からであるため、1年間は「少数株主損益の会計処理」については修正することになる。

 実務対応報告第18号については、新たな修正項目として、(1)資本性金融商品の組替調整処理、(2)公正価値測定を選択した金融負債に関する組替調整処理を追加する。

 (1)については、在外子会社において、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合には、当該資本性金融商品の売却を行ったときに、連結決算手続上、取得原価と売却価額との差額を当期の損益として計上するよう修正する。また、企業結合会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」又は国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」のいずれかの定めにしたがい、減損処理の検討を行い、取得原価と減損処理後の帳簿価額との差額を当期の損益として計上するよう修正する。

 (2)に関しては、在外子会社において、金融負債を公正価値で測定するものとして指定し、当該金融負債の信用リスクの変動に起因する金額をその他の包括利益に表示している場合には、当該金融負債の期限前償還等を行ったときに、連結決算手続上、当該負債の信用リスクの変動に起因するものとしてその他の包括利益累計額に認識された金額について、当期の損益に認識するよう修正することになる。

 修正項目からは「少数株主損益の会計処理」を削除する。改正企業結合会計基準等が9月13日に公表されたためだ。ただし、改正企業結合会計基準等は平成27年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用されるため、実務対応報告第18号の適用時期(平成26年4月1日以後開始する連結会計年度に係る連結財務諸表から適用)とは1年の差異が生じることになる。したがって、改正企業結合会計基準等の適用開始までは「少数株主損益の会計処理」に関する修正は必要になるので要注意だ。

 そのほか、修正項目の「のれんの償却」に在外子会社が非支配株主持分を取得日の公正価値で測定する方法によりのれんを計上している場合、のれんの償却費については、持分比率に応じて親会社株主に帰属する当期純利益と非支配株主に帰属する当期純利益に配分する旨の記載を追加するとしている。



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