財務報告関連実務ニュース


自民党政権下でIFRSはどうなる?
(13/06/17)

 自民党の金融調査会に設置された企業会計に関する小委員会(小委員長:吉野正芳衆議院議員)はこのほど、IFRS(国際会計基準)を巡る現状と課題について検討を行った。企業会計に関する小委員会の開催は政権交代後では初めてであり、自民党のIFRSに対するスタンスがどのようなものであるか注目されていた。同小委員会では、民主党政権下において当時の自見庄三郎金融担当大臣(国民新党)がIFRSの強制適用の是非の判断を先送りしたことを受け、金融調査会会長の塩崎恭久衆議院議員がIFRSの導入について政治に左右されないことが必要との認識を示している。

 企業会計に関する小委員会では、金融庁がIFRSを巡る現状を説明。今年3月1日には、IFRS財団モニタリング・ボードによるメンバー要件の評価アプローチの報告書が公表されている。メンバーになるにはIFRSの強制適用又は任意適用していることが条件となっているが、任意適用の場合、実際に顕著に適用されている状態になっていることが必要となる。見直しは3年ごととされており、日本が国際的な影響力を維持していくためには、さらなる任意適用企業の増加あるいは強制適用を行うかなど、日本の姿勢が問われることになる。今後のポイントとなりそうだ。

 また、日本はIASB(国際会計基準審議会)に対して、のれんの定期償却、開発費の費用処理、公正価値で評価する資産・負債の明確化、リサイクリングなど、受け入れ難い基準については見直すよう意見発信を行っている状況だ。

 小委員会ではさらなる意見発信が必要との意見や強制適用する必要があるのか(カーブアウトの選択)などの意見があった。

 金融調査会会長の塩崎恭久衆議院議員は、IFRSは企業が使うものであると指摘。当時の自見庄三郎金融担当大臣が政治主導という名のもとでIFRSの強制適用の是非の判断を先送りしたことを受け、会計基準は民間が策定するものであり、政治に左右されないことが必要との認識を示した。また、国際的な議論を行っていくなかでIASBの理事やIFRS財団評議員に日本人がいなくなる状況は避けなければならないとした。



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