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年金資産の内訳開示は各企業で判断
(13/04/19)

 日本公認会計士協会はこのほど、監査・保証実務委員会研究報告第26号「年金資産に対する監査手続に関する研究報告」を公表したが、公開草案から大きく変更されている点があるので要注意だ。公開草案では年金資産の内訳開示の具体例が示されていたが、企業からの強い反対を受けて削除されている。

 今回、日本公認会計士協会が公表した「年金資産に対する監査手続に関する研究報告」は、企業会計基準委員会が公表した「退職給付に関する会計基準」等により、平成25年4月1日以後開始する事業年度の年度末から年金資産の内訳開示が求められることとなったことやAIJによる年金資産の消失事件を踏まえたもの。年金資産における運用対象資産に対して監査上留意すべき事項等を整理するとともに、リスクの程度に応じた具体的な監査手続、残高確認書の様式などを掲載している。実務でも参考になるものとなっている。

 しかし、1つ留意すべき点がある。2月21日まで意見募集を行っていた公開草案には、退職給付会計基準等からさらに踏み込んだ「年金資産の内訳開示の具体例」が示されていたが、企業側の強い反対を受け、最終的には全部削除されている。したがって、年金資産の内訳については、会計基準等に照らした上、各企業等の実情等を踏まえた開示を行えばよいことになる。



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