財務報告関連実務ニュース


企業結合会計、「支配の喪失」は公開草案に盛り込まず
(12/11/15)

 企業結合会計については、年内にも公開草案を公表される予定となっており、「少数株主持分の取扱い」、「取得関連費」、「暫定的な会計処理」といった内容が盛り込まれる。また、「支配の喪失」については、段階取得の取扱いとの整合性や支配の喪失を契機として投資の性質が変わるという観点から連結財務諸表上は改正すべきといった意見を踏まえ、検討することとされている。

 しかし、「支配の喪失」に関しては、年内公表予定の公開草案には盛り込まれない方向となっている。(1)事業分離等会計基準や金融商品会計基準などの他の会計基準を含む横断的な論点であり、検討を行うには相当の時間を要する、(2)実務における段階取得の適用状況をまず検討すべきなどの意見があるなどといった理由から、「少数株主持分の取扱い」などの公開草案公表後に、会計処理の検討に着手する時期を判断することとしている。

 また、無形資産会計については、開発費に関しては現行どおり費用処理することとしているが、そのほかの論点に関しては別途検討することとされていた。

 8月に行われた意見聴取では、財務諸表作成者や監査人などから無形資産に関する包括的な会計基準を求める声が相次いだが、当面は、無形資産全体の整合性を意識しつつ、「企業結合時における無形資産の識別」及び「個別に取得した仕掛中の研究開発」の2つの論点について検討することとし、包括的な会計基準は策定しない方向となっている。

 同委員会では、2つの論点について、過去の検討状況を踏まえ、IFRSや米国基準における現行実務を詳細に調査・分析を行い、実務上のニーズとコストを比較考量し、改正を行うかどうかの検討を行うとしている。



財務報告関連実務ニュース一覧へ