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新大臣が語る国際会計基準導入の結論時期は?
(12/10/16)

 中塚一宏金融担当大臣は就任の記者会見で、国際会計基準の導入について、米国などの国際情勢を勘案しなければならず、いつ結論を出すかについては困難であるとの見通しを明らかにした。米国の判断は、早くても2013年の半ば以降とされており、日本の判断も2013年以降となることになりそうだ。

 中塚大臣は就任の記者会見で、国際会計基準の導入に際しては、国際的な動向を踏まえつつ、産業界や中小企業の動向にも配慮して、わが国の方針を総合的に検討すべきとの指示が大臣就任に際して野田総理からあった旨を明らかにした。

 その上で、国際会計基準のあり方については、企業会計審議会が7月に公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方についてのこれまでの議論(中間的論点整理)」に基づき、検討を継続していくとした。米国など国際情勢を踏まえ、国際的に日本が孤立することがないように留意していかなくてはならないと語った。

 企業会計審議会が2009年6月に取りまとめた「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」では、国際会計基準の強制適用の判断時期について2012年を目途とすることとしているが、この点については、方針自体が変わったということはないと指摘。ただ、決定には国際情勢を勘案する必要があり、いつ結論を出すかということについては困難であるとの見通しを示した。

 また、今月10月2日に開催された企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議では、7月13日に公表されたSECスタッフ報告書やIASBの最近の動向等が報告された。委員からは、国際会計基準導入の最終判断については米国の動向を見極めることが必要との意見や米国の動向とは関係なしに導入を進めるべきなどの両論の意見が出されている。

 米国の判断は、大統領選挙があるため、早くても2013年の半ば以降とされており、日本の判断も2013年以降となることになりそうだ。



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