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会社法改正要綱案で社外取締役につき附帯決議
(12/08/23)

 今月開催された法制審議会会社法制部会第24回会議で、部会資料27「会社法制の見直しに関する要綱案(案)」をもとに「会社法制の見直しに関する要綱案」(以下「要綱案」)が取りまとめられた。注目された社外取締役の設置義務づけは見送りとなった。

 もっとも、

1. 社外取締役に関する規律については,これまでの議論及び社外取締役の選任に係る現状等に照らし,現時点における対応として,本要綱案に定めるもののほか,金融商品取引所の規則において,上場会社は取締役である独立役員を一人以上確保するよう努める旨の規律を設ける必要がある。

2. 1.の規律の円滑かつ迅速な制定のための金融商品取引所での手続において,関係各界の真摯な協力がされることを要望する。

といった内容の附帯決議が行われている。

 これを受け、東京証券取引所の斉藤社長は、「当取引所としては、要綱案の確定を待って、速やかに上場規則の見直しに向けた手続きを進めるとともに、上場会社に対しては、新たに導入される「監査監督委員会設置会社」への移行の検討を含め、独立した社外取締役の確保に努めるよう、この機会にあらためて強く要請することとした」とのコメントを公表している。

 また、「要綱案では、社外取締役が存在しない場合には、「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明を、会社法令において、求めることとしているが、内外のグローバルな投資家をはじめとする株主・投資家に対しては、この情報を上場会社との対話や議決権行使のために、積極的に活用していただくことを、幅広く呼び掛けてまいりたい。」としている。

 今後、「社外取締役」と「監査・監督委員会設置会社」という2つのキーワードを軸に、ガバナンスの議論が進んでいくことが予想される。


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