金融庁はこのほど、「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」及び「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」を公表した。 今回の改正案は、金融商品取引法施行令第6条の2第2項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条の2を改正し、一定の要件を満たすPTS取引における公開買付規制(5%ルール)の適用を除外するというもの。 すなわち、会社支配権に影響を与えるような取引等が行われる場合には、金融商品取引法上、投資者に予め情報開示を行うとともに、株主等に平等に株券等の売却の機会を与えなければならないとされている。これを公開買付制度という。 公開買付規制上、「取引所金融商品市場」外における株券等の買付けの後の株券等所有割合が5%超となる場合、当該買付けは公開買付けによる必要がある(いわゆる5%ルール)。 ただし、「取引所金融商品市場」に準ずる取引や60日間に10名以下から行う買付け等著しく少数の者からの株券等の買付け等については、5%ルールの適用除外とされている。 もっとも最近では、PTS(Proprietary Trading System、私設取引システム)の環境整備が進んだことから、PTSにおける買付けへのニーズが高まることとなった。PTSは、第一種金融商品取引業者が開設しているネットワーク上の取引システムを指す。 開設者が取引所でないことから、「取引所金融商品市場」外における買付け等であり、「取引所金融商品市場」に準ずるものとして政令で定める取引にも該当しないことから、5%ルールが適用されることとなる。 そのため、機関投資家や証券会社が、5%ルールに抵触しないようにPTS取引を行おうとすると、特別関係者を含めた株券等所有割合が5%を超えていないことや、60日間に10名以上から買付け等を行っていないことを確認する必要がある。かかる確認には相当の時間やコストを要するため、PTSでは適当なタイミングで取引を行うことができないという問題点があった。 そこで、PTS取引のうち、以下の要件を満たす取引につき、いわゆる5%ルールの適用除外とする旨の改正案が公表されることとなった。
金融庁では、平成24年7月26日までパブコメを求めている。 |
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