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民主党、企業統治強化に向けた中間提言が明らかに
(12/04/17)

 民主党の財務金融部門「資本市場・企業統治改革WT」(座長:大久保勉参議院議員)は4月12日、「企業統治強化に向けた中間提言」を取りまとめた。焦点となっていた社外取締役の義務付けは明記されず、経済界に配慮し、積極的な活用が望ましいとした。また、インセンティブのねじれなど、他の項目についても、具体的な方向性は示されていない。

 オリンパスの問題などを受けて設置された民主党の資本市場・企業統治改革WTだが、当初の方針とは異なり、とりまとめられた提言は、法制審議会会社法制部会の議論を見守るという方針に変更されている。

 焦点となっていた社外取締役義務化に関しては明記を行わず、積極的活用が望ましいとの文言にとどめた。独立性の要件についても検討がなされるべきとし、具体的な内容には踏み込んでいない。

 また、会計監査人に対する選解任議案や報酬の決定権を監査役等に付与するかどうかといったインセンティブのねじれの問題についても、監査役等に付与することも1つの方法であり、これも含めた検討がなされるべきとの記載ぶりとなっている。

 その他、多重代表訴訟制度に関しては、自由な経営を阻害することにもなりかねないと指摘し、仮に制度を創設する場合であっても、持ち株会社(親会社)株主による事業会社(子会社)取締役への責任追及など、必要性の高い類型に限定することが適当ではないかとした。

 また、親子間取引については、親会社が議決権を背景に子会社利益を犠牲にして自己の利益の拡大を図る可能性は否定できないとしつつも、わが国特有の企業グループ形態が存在する中、さらなる議論が必要との立場をとっている。



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