財務報告関連実務ニュース


事業等のリスクについて
(12/03/13)

 有価証券報告書は、EDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)において、一般に縦覧できる書類の一つである。その中に、事業等のリスクという項目が存在する。この事業等のリスクには何を記載したらよいのだろうか。

 この項目は、投資対象となる会社が、事業を行う上でどのようなリスクを抱えているか、多面的な角度から記載し、投資をする際に、経営リスクの存在を知らせる役割を果たすものである。

 記載する際の項目の例としては、会社の経営方針に関する事項、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動に係るもの、法的規制の有無、重要な訴訟事件等の発生に係るものなどである。

 記載にあたっての基本的なスタンスは、最悪の事態が発生(顕在化)すると経営に重大な影響を与える可能性があるという項目を記載する。

 上述の例では、経営方針が変更になった場合において当初立案した経営計画が予定通り進まない可能性や、有利子負債の比率の高い場合において、金融環境の変化による資金繰りの悪化・金利上昇による金利負担の上昇が経営に悪影響を及ぼすこと、規制業種においては、より強い規制を求める法律が施行された場合に企業の負担が増加すること、訴訟の結果次第では賠償金の支払いが経営に悪影響を与える可能性があるという具合である。

 リスク情報として記載する項目の具体的内容は、金融庁のホームページに「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の『「事業等のリスク」に関する取扱いガイドライン』に記載されているので参照して頂きたい。



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