財務報告関連実務ニュース


ASBJ、四半期で単一税率による税金費用計算案を提示
(12/01/13)

 企業会計基準委員会(ASBJ)は12月22日、実務対応報告公開草案第37号「改正法人税法及び復興財源確保法に伴う税率変更等に係る四半期財務諸表における税金費用の実務上の取扱い(案)」を公表した。これは、12月2日に公布された「改正法人税法」及び「復興財源確保法」(以下「改正法人税法等」)に基づき、四半期会計期間中に税率の変更等が行われることとなったことに対応し、同委員会に質問の多い点を中心に必要と考えられる実務上の取扱いを明らかにすることを目的としたもの。

 本公開草案は次の3つのQ&Aから構成されている。

Q1  四半期財務諸表の作成において年度決算と同様の方法で税金費用を計算している場合、改正法人税法等に伴う繰延税金資産及び繰延税金負債の計算はどのように行うか?

Q2  四半期財務諸表の作成において四半期特有の会計処理により税金費用を計算している場合、改正法人税法等に伴う税金費用の計算はどのように行うか?

Q3  年度決算と同様の方法又は四半期特有の会計処理で税金費用を計算する場合において、適時に一時差異等のスケジューリングを行うことが実務上困難な場合、税金費用の計算はどのように行うか?

 Q1及びQ2は既存の基準の再確認に過ぎない。Q3では四半期財務諸表の作成に伴う適時性にかかる強い制約に配慮し、「合理的で実態にも即していると考えられる方法により算出した単一の税率により税金費用を計算することも認められる」としている点が目新しい。公開草案では、単一の税率としては、次の2つを例示している。

1)  繰延税金資産の回収可能性の判断の際に使用した課税所得の見積期間の各期の法定実効税率を単純に平均した税率

2)  一時差異等の項目の主な解消見込時期に対応した法定実効税率(例えば、一時差異等が、主におおむね3年以内に解消されると見込まれる場合には復興特別法人税額を含む法定実効税率を使う。また、例えば、一時差異等が、主におおむね3年を超えて解消されると見込まれる場合には復興特別法人税額を含まない法定実効税率を使うなど。)

 その上で、「この取扱いを適用した場合には、その旨、使用した税率及びその算定方法を注記する」としている。

 なお、パブコメの募集は1月11日で締め切られている。



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