財務報告関連実務ニュース


XBRLデータの信頼性向上をどう図る?
(11/08/09)

 上場後は、決算短信やEDINET等において、XBRL(eXtensible Business Reporting Language)のデータによる財務報告が必須となる。そのXBRLのデータの信頼性向上をどう図っていくのかが課題となっている。

 XBRLのデータは加工が容易であることから、財務分析等の現場におけるデータの利用が広がっている。しかし、XBRLのデータそのものは、金融商品取引法による財務諸表監査の対象ではないことから、公認会計士のチェック対象外とされている。ディスクロージャー支援会社等から提供されるXBRLツールも、必ずしもすべてのエラーを検出できるわけではない。また、EDINETのエラーチェック機能も同様だ。そのため、XBRLデータに会計上の判断に関するエラーが潜んでいた場合、財務分析結果を誤ることとなり、ひいては誤った投資判断を行うリスクが内在しているといえる。

 そのような中、日本公認会計士協会はこのほど、IT委員会研究報告「XBRLデータに対する合意された手続」(公開草案)を公表した。これは、XBRLのデータの信頼性向上のための合意された手続についての研究結果を取りまとめたもの。

 本研究報告では、各国における検討状況を解説するとともに、公認会計士が行うXBRLデータに対する合意された手続業務の実施方法等について研究結果を報告するものとなっている。とりわけ、付録Aの「具体的な手続例」は、XBRLデータに対する内部監査の手法として、そのまま転用することが可能となっている。内部監査部門の担当者にとっては、上場後知っておくべき知識といえ、必見といえよう。



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