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金融資産の分類及び測定の見直しへのコメントを検討
(11/06/10)

 企業会計基準委員会(ASBJ)の金融商品専門委員会では、現在、「金融商品会計基準(金融資産の分類及び測定)の見直しに関する検討状況の整理」(平成22年11月30日まで意見募集)に対して寄せられたコメントについての検討を開始している。同委員会では、今後の方向性としてIFRS第9号をベースとして、慎重に検討を行っていく旨を明らかにしている。公開草案については、平成23年7月頃の公表となる見込みだ。

 公正価値が測定できない場合に取得原価で測定 検討状況の整理に対しては、17団体、6個人からコメントが寄せられている。寄せられたコメントを踏まえ、企業会計基準委員会では、IFRS第9号をベースに慎重に検討を行う方針を明らかにしている。

 また、検討状況の整理に公表した際に、特にコメントを求めた質問項目については、まず、質問1の公表される市場価格のない株式への投資の分類については、公正価値で測定するものとして分類しつつ取得原価が公正価値の適切な見積りとなる場合の適用指針を設ける案(案1)を支持する意見が日本公認会計士協会などから寄せられている。一方、全国銀行協会、生命保険協会、日本証券アナリスト協会などからは、公正価値について信頼性をもって測定できない場合に取得原価で測定するものとして分類する案(案2)が支持されている。

 質問2の一定の株式への投資に関するその他の包括利益のリサイクリングについては、全国銀行協会、生命保険協会、日本経団連、日本証券アナリスト協会などから、リサイクリングを行うべきとの意見が寄せられている。

 質問3の外貨建取引等会計処理基準への影響については、(1)金融商品会計基準の見直しに併せて見直しが必要(日本公認会計士協会、日本証券アナリスト協会等)、(2)現行の日本基準同様に、為替換算差額をOCIで認識すべき(生命保険協会)、(3)OCIオプションの為替ヘッジへの対応とすべき(全国銀行協会等)といった意見が寄せられている。

 また、質問4の適用指針(案)の改善の方向性については、(1)適用指針(案)の改善の方向性について、より詳しいガイダンスを示すことに同意する(日本公認会計士協会等)、(2)追加のガイダンスは基本的に不要である(日本証券アナリスト協会等)との意見が寄せられている。



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