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公正価値会計基準案が公表
(10/07/14)

 企業会計基準委員会は7月9日、企業会計基準公開草案第43号「公正価値測定及びその開示に関する会計基準(案)」及び企業会計基準適用指針公開草案第38号「公正価値測定及びその開示に関する会計基準の適用指針(案)」を公表した。本会計基準及び適用指針の公開草案は、公正価値測定に関する国際的な会計基準の取扱いにあわせるための改正案。9月10日までに、パブコメを募集している。

 ここで「公正価値」とは、「測定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われた場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格又は負債の移転のために支払うであろう価格(出口価格)」をいう。その算定に際しての入力数値は、観察可能性や市場が活発か否かにより3つのレベルにわけられており、公正価値のレベルに影響することとなる。入力数値については「観察可能な入力数値を最大限利用し、観察不能な入力数値の利用を最小限にしなければならない」とされている。

 注記事項案は次の通り。

<公正価値の算定方法等に係る事項>
公正価値を算定するにあたって用いられた評価技法、入力数値及び入力数値を設定するために用いた情報
評価技法に変更がある場合、その内容及びそれが測定日の公正価値に及ぼす影響額

<公正価値のレベル別の内訳>
・レベル別の公正価値の測定額
・各レベル間の振替をいつ認識するのかについての方針
・各レベル間の重要な振替額及びその理由

<レベル3の公正価値に係る事項>
レベル3の公正価値の期首残高から期末残高への調整表を次の項目による変動額がわかるように記載
当期純利益に計上された金額
その他の包括利益に計上された金額
購入、売却、発行及び決済額(それぞれについて変動額を記載)
レベル3への振替額及びレベル3からの振替額
当期純利益に計上された金額について、損益計算書/損益及び包括利益計算書のどこに表示されているかの説明
当期純利益に計上された金額のうち期末日において保有している資産及び負債に関連するものについて、損益計算書/損益及び包括利益計算書のどこに表示されているかの説明
レベル3への振替及びレベル3からの振替の理由。また、レベル3への重要な振替がある場合、その金額及び説明
レベル3の公正価値について、仮に1つ又は複数の入力数値を合理的に代替可能な入力数値に変更したとした場合に、公正価値が著しく変動するときには、その事実
その変更が及ぼす影響額及びその計算方法を記載(入力数値の感応度分析)



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