目次 VI-2


2 加算税制度の見直し

 当初申告のコンプライアンスを高める観点から、調査を行う旨等を納税者に通知した後から更正予知までの間に修正申告等がなされた場合の新たな加算税の措置、及び短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の加算税の加重措置が導入されます。

(1)事前通知を受けて修正申告等がなされた場合の措置創設

 調査の事前通知以後、かつ、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知((2)において「更正予知」といいます。)する前にされた修正申告に基づく過少申告加算税の割合(現行:0%)については5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える場合、その部分は10%)とし、期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:5%)については10%(納付すべき税額が50万円を超える場合、その部分は15%)とされます。
(注1) 次の修正申告等については、上記(1)の加算税の対象とされません。

次のように調査対象を区分する場合において、調査対象とならない部分に係る修正申告
調査の事前通知の際に納税者の同意の上、移転価格調査とそれ以外の部分の調査に区分する場合
一部の連結子法人の調査を行わないこととした場合
他の税目における更正の請求に基づく減額更正に伴い、調査対象税目において必要となる修正申告等
相続税又は贈与税について、遺産分割が確定するなどして任意に行う修正申告等
(注2) 源泉所得税の不納付加算税は、見直しの対象外です。

(2)繰り返しの無申告又は仮装・隠蔽に対する加重措置

 期限後申告若しくは修正申告(更正予知によるものに限ります。)又は更正若しくは決定等(以下(2)において「期限後申告等」といいます。)があった場合において、その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(更正予知によるものに限ります。)又は重加算税を課されたことがあるときは、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税の割合(15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%))又は重加算税の割合(過少申告加算税・不納付加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%)について、それぞれその割合に10%加算する措置が講じられます。
(注) 過少申告加算税及び源泉所得税の不納付加算税は、見直しの対象外です。

繰り返しの無申告又は仮装・隠蔽に対する加重措置
(平成28年度税制改正)参考資料丸数字3「その他の改正事項」(財務省資料)を基に作成

適用期日 上記(1)(2)の改正は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

 

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