平成27年度税制改正では、法人実効税率を数年で20%台まで引き下げることを目指して、法人実効税率の引下げ等がされましたが、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方の下、今回、成長志向の法人税改革が、さらに大胆に推進されます。 |
【1】法人税率の段階的引下げ
法人税の税率(現行:23.9%)について、次のとおり、段階的に引き下げられます。なお、中小法人の軽減税率の特例(所得金額のうち年800万円以下の部分に対する税率(19%→15%)適用)については、平成29年3月31日までに開始する事業年度までとされています。
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平成27年度税制改正後 |
改 正 案 |
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平成27年度 |
平成28年度 |
平成28年度 |
平成30年度〜 |
法人税率 |
23.9% |
23.4% |
23.2% |
【2】法人事業税の税率の改正
資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」といいます。)1億円超の普通法人の法人事業税の標準税率が次のとおりとされ、平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
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平成27年度税制改正後 |
改 正 案 |
平成27年度 |
平成28年度〜 |
平成28年度〜 |
付 加 価 値 割 |
0.72% |
0.96% |
1.2% |
資 本 割 |
0.3% |
0.4% |
0.5% |
所 得 割 |
年400万円以下の所得 |
3.1%
(1.6%) |
2.5%
(0.9%) |
1.9%
(0.3%) |
年400万円超800万円以下の所得 |
4.6%
(2.3%) |
3.7%
(1.4%) |
2.7%
(0.5%) |
年800万円超の所得 |
6.0%
(3.1%) |
4.8%
(1.9%) |
3.6%
(0.7%) |
(注1) |
所得割の税率下段のカッコ内の率は、地方法人特別税等に関する暫定措置法適用後の税率です。また、あわせてこの税率の制限税率が標準税率の2倍(現行:1.2倍)に引き上げられます。 |
(注2) |
3以上の都道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人の所得割に係る税率については、軽減税率の適用はありません。 |
(平成28年度税制改正)参考資料「成長志向の法人税改革」(財務省資料)を基に作成
改正
の
影響 |
繰延税金資産や繰延税金負債を計上している場合は、取崩しが必要になります。 |
【3】外形標準課税の拡大等
課税ベース拡大の趣旨により、大法人に対する外形標準課税がさらに拡大されます。ただし、中堅企業については、現行の軽減措置(平成28年度まで)を2年間延長の上、拡充されます。外形標準課税の対象外である中小法人には影響はありません。 |
(1)付加価値割と資本割の税率引上げと所得割の税率引下げ(【2】参照)
資本金1億円超の普通法人に適用される外形標準課税について、法人事業税における外形標準課税の割合が拡大されます。また、これにあわせて、所得割の税率が引き下げられます。
※所得割の税率には地方法人特別税を含む。
(2)中堅企業の軽減措置
「付加価値額が30億円以下の法人」及び「付加価値額が30億円超40億円未満の法人」について、それぞれ軽減措置が講じられ、前者については、平成28年度は4分の3(現行は2分の1)、平成29年度は2分の1、平成30年度は4分の1と、控除割合が段階的に引き下げられ、後者については、控除割合がなだらかに逓減する軽減措置が講じられます。
(1)付加価値額が30億円以下の企業の場合
→ |
適用年度の課税標準に、平成27年度の税率と適用年度の税率を乗じ、後者の方が負担が重くなる場合、負担増加額の一定割合(75%(H28)、50%(H29)、25%(H30))を控除 |
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(2) |
付加価値額が30億円超40億円未満の企業の場合 |
→ |
控除率(左記の各割合を上限とする)をなだらかに逓減
=○% ×(40億円− 付加価値額)/10 |
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「平成28年度 経済産業関係 税制改正について」(経済産業省HP)を基に作成
(3)地方法人特別税の税率の改正
所得割の税率引下げに伴い、資本金1億円超の普通法人の地方法人特別税の税率が次のとおりとされ、平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます(地方法人特別税は、平成29年度には廃止されます(5(3)参照)。)。
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平成27年度税制改正後 |
改 正 案 |
平成27年度 |
平成28年度〜 |
平成28年度まで |
付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率 |
93.5% |
152.6% |
414.2% |
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