目次 IV-3


3 その他の土地・住宅税制関連の改正

【1】土地に係る固定資産税等の負担調整措置の継続

(1) 宅地等及び農地の負担調整措置である、「商業地等に係る条例減額制度」や「税負担急増土地に係る条例減額制度」などの現行の仕組みが平成27年度から平成29年度までの間、継続されます。
(2) 据置年度において簡易な方法により価格の下落修正ができる特例措置が継続されます。
(注) 土地に係る都市計画税の負担調整措置について、上記の改正に伴う所要の改正が行われます。


【2】いわゆる9号買換えの見直し等

 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例(法人税)における「長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換え」(いわゆる9号買換え)(措法65の7丸数字1九)について、次の見直しを行った上、その適用期限が平成29年3月31日まで2年3か月延長されます。所得税(措法37丸数字1九)も同様に措置されます。

(1) 買換資産から機械装置が除外されます。
(2) 課税の繰延べ割合(圧縮率)が、次のように引き下げられます。

買換えの態様 圧縮率
 現 行 80%
改正案 下記以外 80%
地方(注1) → 首都圏近郊整備地帯等(注2) 75%
地方(注1) → 東京23区 70%
(注1) 東京23区及び首都圏近郊整備地帯等を除いた地域
(注2) 東京23区を除く首都圏既成市街地、首都圏近郊整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部



【3】番号利用法(マイナンバー)関連

 適用の際に、確定申告書等に住民票の写しを添付することとされている次の特例について、税務署長又は市町村長が「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「番号利用法」といいます。)の規定により氏名及び住所等を確認することができるときは、住民票の写しの添付を要しないこととされます。



(1) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
(2) 居住用財産の譲渡所得の特別控除
(3) 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
(4) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
(5) 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例
(6) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等
(7) 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等
(8) 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
(9) 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
(10) 認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除


(1) バリアフリー改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置
(2) 省エネ改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置

適用期日 上記の改正は、番号利用法附則第1条第4号に定める日(注)の属する年分以後の所得税について適用されます。

(注)  公布の日(平成25年5月31日)から起算して3年6か月を超えない範囲内(平成28年11月30日まで)において政令で定める日で、平成28年1月1日が予定されています。


【4】その他

(1) 所得税 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除について、特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の適用期限が平成29年12月31日まで3年延長されます。(法人税も同様)
(2) 登録免許税 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限が平成29年3月31日まで2年延長されます。
(3) 登録免許税 住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限が平成29年3月31日まで2年延長されます。
(4) 登録免許税 会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置は、適用期限(平成27年3月31日)の到来をもって廃止されます。
(5) 固定資産税 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外する措置が講じられます。
(6) 固定資産税 サービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置について、現行の税額軽減率である「最初の5年間3分の2」を参酌して2分の1以上6分の5以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を減額することとした上、その適用期限が平成29年3月31日まで2年延長されます。つまり、税額は、「3分の1」(現行)から「6分の1ないし2分の1」(改正案)となります。
(7) 固定資産税 三大都市圏の特定市の市街化区域農地を転用して新築した一定の貸家住宅及びその敷地に係る固定資産税の減額措置について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限が平成30年3月31日まで3年延長されます。
貸家住宅… 最初の2年間(現行3年間)3分の2減額、その後3年間(現行2年間)2分の1減額
敷地…最初の3年間12分の1(現行6分の1)減額
(8) 不動産取得税 住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限が平成30年3月31日まで3年延長されます。
(9) 不動産取得税 宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2分の1とする特例措置の適用期限が平成30年3月31日まで3年延長されます。
(10) 不動産取得税 一定の新築のサービス付き高齢者向け賃貸住宅について、一定の新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置及び一定の新築住宅の用に供する土地に係る不動産取得税の減額措置の床面積要件の下限を緩和する特例措置の適用期限が平成29年3月31日まで2年延長されます。
(11) 不動産取得税 耐震基準適合既存住宅に係る耐震基準適合要件について、築年数に係る要件が廃止されます。

 

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