目次 I〈年末の大綱〉-3


3 地方法人課税の偏在是正

 消費税率8%の段階において、地域間の税源の偏在性を是正するため、法人住民税法人税割の一部を国税化して、新たに「地方法人税(仮称)」を創設し、その税収全額を地方交付税財源とすることとされます。


【1】法人住民税法人税割の税率の改正

 法人住民税法人税割の税率が次のとおりとされ、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

  現 行 改正案
標準税率 制限税率 標準税率 制限税率
道府県民税法人税割 5.0% 6.0% 3.2% 4.2%
市町村民税法人税割 12.3% 14.7% 9.7% 12.1%


【2】地方法人税(国税)(仮称)の創設

(1)納税義務者

 法人税を納める義務がある法人は、地方法人税(仮称)を納める義務があることとされます。

(注)法人には、人格のない社団等及び法人課税信託の引受けを行う個人を含みます。

(2)税額の計算

地方法人税
(仮称)額
各課税事業年度の基準法人税額(課税標準)に4.4%の税率を乗じて計算した金額
基準法人税額 次の法人税額(附帯税の額を除きます。)
(イ)  各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される法人……各事業年度の所得に対する法人税の額(所得税額控除、外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除を適用しないで計算)
(ロ)  退職年金業務等を行う法人……各事業年度の退職年金等積立金の額に対する法人税の額
税額控除 外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税(仮称)額の控除を行うこととされます。

(3)申告及び納付

地方法人税(仮称)の申告及び納付は、国(税務署)に対して行います。
申告書の提出期限は、法人税の申告書の提出期限と同一です。

(4)適用区分

 上記は、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。


【3】地方法人特別税の税率の改正

 地方法人特別税の税率が次のとおりとされ、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

  現 行 改正案
(1) 付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率 148% 67.4%
(2) 所得割額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率 81% 43.2%
(3) 収入割額によって法人事業税を課税される法人の収入割額に対する税率 81% 43.2%


【4】法人事業税(所得割及び収入割に限ります。)の税率の改正

 法人事業税の標準税率が次のとおりとされ、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

(1) 資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」といいます。)1億円超の普通法人の所得割の標準税率

  現 行 改正案
年400万円以下の所得 1.5% 2.2%
年400万円超年800万円以下の所得 2.2% 3.2%
年800万円超の所得 2.9% 4.3%

(2)資本金1億円以下の普通法人等の所得割の標準税率

  現 行 改正案
年400万円以下の所得 2.7% 3.4%
年400万円超年800万円以下の所得   4% 5.1%
年800万円超の所得 5.3% 6.7%

(3)特別法人の所得割の標準税率

  現 行 改正案
年400万円以下の所得 2.7% 3.4%
年400万円超の所得 下記以外 3.6% 4.6%
特定の共同組合等の年10億円超の所得 4.3% 5.5%

(4)収入金額課税法人の収入割の標準税率

  現 行 改正案
電気供給業、ガス供給業及び保険業を行う法人の収入金額に対する税率 0.7% 0.9%
(注) 3以上の都道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人のうち資本金1,000万円以上であるものの所得割に係る税率については、軽減税率の適用はありません。

 

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