目次 税制構築法(平成23年12月改正)・復興財源確保法による改正 III-1


III.ここが変わる!ここが変わった!ことしの所得税制

税制構築法(平成23年12月改正)・復興財源確保法による改正

1 復興特別所得税の創設等

【1】復興特別所得税の創設

 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(復興財源確保法)が平成23年11月30日に可決・成立し、12月2日に公布されました。この復興財源確保法により「復興特別所得税」が 創設され、平成25年から平成49年までの各年分の所得税について、その年分の基準所得税額を課税標準として、2.1%の復興特別所得税が課されることとなりました。25年間の措置です。

復興特別所得税
(1)  基準所得税額に対して2.1%の時限的な付加税が創設されます。
(2)  25年間(平成25年1月1日から平成49年12月31日まで)の措置とされます。
(3)  納税義務者・源泉徴収義務者は所得税の納税義務者・源泉徴収義務者と同じとされます。


(1)基準所得税額

納税義務者の区分 基準所得税額
個人

非永住者以外の居住者 全ての所得に対する所得税の額
非永住者 国内源泉所得及び国外源泉所得のうち国内払のもの又は国内に送金されたものに対する所得税の額
非居住者 国内源泉所得に対する所得税の額
法人 内国法人 利子等及び配当等などに対する所得税の額
外国法人 国内源泉所得のうち利子等及び配当等などに対する所得税の額


(2)復興特別所得税額の計算

 復興特別所得税の課税標準は、その年分の基準所得税額です。復興特別所得税額は、次の算式で求めます。

復興特別所得税額 基準所得税額 × 2.1%


(3)確定申告

 平成25年から平成49年までの各年分の確定申告については、所得税と復興特別所得税を併せて申告することになります。

(注) 1枚の申告書で申告することになります。


(4)所得税及び復興特別所得税の納付

 所得税及び復興特別所得税の申告書を提出した者は、その申告書の提出期限までに、その申告書に記載した納付すべき所得税及び復興特別所得税の合計額を納付することになります。

(注) 所得税及び復興特別所得税は、まとめて納付します。


(5)源泉徴収と年末調整

イ 源泉徴収

 源泉徴収義務者は、給与その他源泉徴収をすべき所得を支払う際、その所得について所得税及び復興特別所得税を徴収し、その法定期限までに、これを納付することになります。

ロ 年末調整

 所得税の年末調整をする源泉徴収義務者は、平成25年から平成49年までの各年分においては、所得税及び復興特別所得税の年末調整を併せて行うことになります。


(6)個人住民税

 平成26年度から平成35年度までの10年間、個人住民税(均等割)の税率が、年額1,000円引き上げられ、年額5,000円となります。

  〜平成25年度 平成26年度〜平成35年度
個人住民税(均等割) 4,000円 5,000円


【2】その他(平成23年12月改正)

(1)  減価償却制度について、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率が、定額法の償却率(1/耐用年数)の2.0倍とされました。詳しくはII−2「250%定率法から200%定率法への縮減」をご参照ください。

(2)  退職所得に係る住民税所得割について、その所得割の額から10%を控除する措置が廃止されました。

 

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