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3 東日本大震災への税制上の対応(第2弾) |
東日本大震災による被災者の支援策については、平成23年4月27日に成立した「東日本大震災の被災者に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」により、税制上の緊急対応(第1弾)として様々な措置が講じられました。その後の復旧・復興の状況等を踏まえ、第2弾の対応として更なる措置が講じられることとなり、上記の法律を一部改正する法律案が、平成23年12月7日に可決・成立し、12月14日に公布・施行されました。主な措置項目は、次のとおりです。 【1】所得税関係 (1)住宅借入金等特別控除の特例 イ 住宅の再取得等に係る住宅ローン控除の特例 東日本大震災によって自己の所有する家屋が被害を受けたことにより自己の居住の用に供することができなくなった者が、一定の要件を満たす住宅の取得等をしてその住宅を居住の用に供した場合には、選択により、通常の住宅借入金等特別控除の適用に代えて、次表のその居住の用に供した年(居住年)に応じた控除率等による「住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例」の適用ができることとされました(控除期間10年)。
ロ 重複適用の特例 東日本大震災によって居住の用に供することができなくなった家屋に係る住宅借入金等特別控除と東日本大震災の被災者の住宅の再取得等の場合の住宅借入金等特別控除は、重複して適用できます。この場合の控除額はそれぞれの控除額の合計額となります。 (2)雑損控除に係る災害関連支出の対象期間の延長の特例 災害関連支出については、通常は、その災害がやんだ日から1年以内に支出したものが雑損控除の対象ですが、東日本大震災により住宅や家財に損害が生じた場合には、3年以内に支出されるものが対象とされました。 (3)雑損失の繰越控除等の要件の改正
(4)買換資産の取得期間等の延長の特例 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2)等の買換特例等の適用を受ける者が、東日本大震災に起因するやむを得ない事情により、買換資産等の取得をすべき期間内にその取得をすることが困難となったときには、納税地の所轄税務署長の承認手続を経て、その取得をすべき期間を経過した日以後2年以内の日で買換資産等を取得できるものとして税務署長が認定した日等までその取得をすべき期間の延長が認められることとなりました。 (5)その他
【2】法人税関係 (1)復興特別区域制度の創設に伴う特例
(2)災害による繰越損失金の範囲の改正 東日本大震災などの大規模な災害の場合には、災害損失欠損金額となる災害により生じた損失の額の範囲について、災害のやんだ日の翌日から3年(改正前は1年)以内に支出する費用に係る損失の額が含まれることとなりました。
【3】相続税・贈与税関係 (1)震災に係る住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例 父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、次の者については、1,000万円までの金額について贈与税が非課税とされました。
(2)「住宅取得等資金の贈与税の特例」に係る入居要件等の特例 特例の対象となる住宅が、警戒区域設定指示等が行われた日においてその警戒区域設定指示等の対象区域内に所在しており、警戒区域設定指示等により平成23年12月31日(平成23年1月1日から平成23年3月10日までの間に住宅取得等資金の贈与を受けた場合には平成24年12月31日)までに入居できなくなった場合には、入居要件が免除されました。 (注) 平成22年1月1日から平成23年3月10日までの間の贈与が対象です。 (3)非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度 認定会社の事業の用に供する資産が東日本大震災によって甚大な被害を受けた場合は、雇用確保要件等が緩和されました。 【4】その他
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