目次 V-5


5 民法組合、匿名組合等の法人組合員の損失規制

 今年の改正で、組合事業から生じる損失を利用して租税回避を図る行為を規制するために法人が組合員となる組合等についても新たに損金不算入とされます。

 民法組合、匿名組合等の法人組合員(組合に係る重要な業務の執行の決定に関与し、契約を締結するための交渉等自らその執行を行う法人組合員は除かれます。)の組合損失について、次の措置が講じられます。

(1) 組合債務の責任の限度が実質的に組合資産の価額とされている場合
その法人組合員に帰属すべき組合損失のうち当該法人組合員の出資の価額として計算される金額を超える部分の金額は、損金の額に算入しない
(2) 組合事業に係る収益を保証する契約が締結されていること等により実質的に組合事業が欠損にならないことが明らかな場合
その法人組合員に帰属すべき組合損失の全額を損金の額に算入しない


適用期日 この改正は、原則として平成17年4月1日以後に締結される組合契約について適用します。

【参 考】
個人においても不動産所得を生ずべき民法組合等の個人組合員の不動産所得の計算上生じた損失についてなかったものとされる改正が行われ、平成18年分以後の所得税及び平成19年度分以後の個人住民税から適用されます。

 レバレッジドリースなど節税を目的とする節税商品への規制・対応策については、上記のように(1)投資をするだけで意思決定も業務執行も行わない組合員については、リース事業等に係る損失の損金算入を出資額を限度とし(2)ノンリコースローン(非遡及型融資―債務履行の責任財産を対象不動産及び家賃・不動産収入に限定)などにより、リスクが少なく、見せかけの損失が明らかで、最終的にはリース期間を通じて黒字になることが確実な場合は、契約当初から、各年度のリース事業に係る損失を税務上は計上できなくするということです。

 ただ、この規制は法人組合員については、平成17年4月1日以後に契約するものについて適用するものであって、既契約分については従来どおりの税務処理でよいことになっています。

 

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