株式の売却益に対する課税方法については、現在申告分離課税によることとされています。
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上場株式等 |
上場株式等以外の株式等 |
課税方式 |
申告分離課税 |
税 率 |
10%(所得税7%、住民税3%) |
20%(所得税15%、住民税5%) |
特定口座制度とは、証券会社に設けた特定口座内で上場株式等の売買を行うと、証券会社が投資家に代わって売却損益などを計算してくれるものです。
源泉徴収口座を選択すると、証券会社は売却益の10%を源泉徴収します。さらに、それ以後の取引の都度、年間の売却益の洗い替えを行って、年間売却益の10%の源泉になるように調整し、取り過ぎの場合は還付を行います。したがって、税務署への確定申告は不要になりますが、他の証券会社に特定口座を持っているときや他の株式売却損と通算したいときは確定申告をしなければなりません。なお、簡易申告口座を選択すると売却益に課税されていませんから、証券会社発行の年間取引報告書に基づき確定申告をしなければなりません。
〈タンス株(自己保管上場株式)の受入れ〉
平成15年4月1日から平成16年12月31日までの間に限り、源泉徴収口座又は簡易申告口座に自己が保管している上場株式等その他一定の上場株式等を、実際の取得日及び取得価額又はみなし取得日(平成13年9月30日)及びみなし取得価額(平成13年10月1日の価額の80%相当額)で受け入れることができます。
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特定口座は、申告に不慣れな個人投資家にとって、証券会社が年間の売買損益の計算を代行してくれ、「源泉徴収口座」を選択すれば10%の税率(源泉徴収)で課税が完了します。本来は申告分離課税が原則の証券税制ですが、特定口座だけは例外の申告不要方式となっています。
今年の改正では、この税額計算方法が一部変更になります。現行制度では、上場株式の取得価額について(1)実際の取得価額、(2)名義書換え時の株価、(3)みなし取得価額(H13.10.1の終値の80%)の3通りから選ぶことになっています。
ところが、実際には株価が大幅に下落した銘柄を買って、特定口座へ預け入れ、その後の売却で架空の売却損を計上する者が多数出てしまいました。
そのため、特定口座の開設は平成17年4月1日から再開されますが、「みなし取得価額」を使うことができなくなり、取得価額不明の株式は原則として特定口座への預け入れはできなくなります。
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(現 行) |
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(改正案) |
特定口座へ
の預け入れ |
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H17.4.1〜H21.5.31
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したがって、平成17年4月1日から平成21年5月31日までに、特定口座へ預け入れ可能な株式は実際の取得価額が判明しているか、平成15年3月以前に名義書き換えをしたものだけになります。(昭和54年までの取得株式のデータが証券会社になく、この問題は現時点では判明していません。)
〈タンス株式などの特定口座への受け入れ〉 |
移行手続日 |
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平成16年12月末まで |
平成17年1月〜3月 |
平成17年4月から
平成21年5月まで |
株
式
の
取
得
時
期 |
平成15年4月以降 |
実際の取得価額か、
みなし取得価額 |
不可 |
実際の取得価額 |
昭和55年から平成
15年3月まで |
実際の取得価額か名
義書き換え時の株価
かみなし取得価額 |
不可 |
実際の取得価額か
名義書き換え時の
株価 |
昭和54年まで |
みなし取得価額 |
不可 |
? |
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* |
また、平成17年10月1日以後は日本郵政公社も特定口座取扱者となります。 |
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