目次 〔平成14年11月の証券税制の改正〕 II-2


2 申告分離課税の税率の引下げ

(1) 申告分離課税の税率の引下げ

 もともと源泉分離課税は平成15年3月31日まで存続することになっていましたが、廃止時期を3か月前倒して、平成14年12月31日をもって廃止されることになりました。

 これに伴い平成15年1月1日より株式等譲渡益課税は申告分離課税方式に一本化されますが、税負担の増加に配慮し、申告分離課税の税率が26%(所得税20%、住民税6%)から20%(所得税15%、住民税5%)に引き下げられました。



(2) 長期(1年超)所有上場株式等の100万円特別控除制度の延長等

 個人が平成13年10月1日から平成15年3月31日までの間に行う、所有期間が1年を超える長期所有上場株式等を譲渡した場合における申告分離課税の適用については、一定の要件下、その年分の長期所有上場株式等の譲渡所得の金額から100万円の特別控除が差し引かれる特例措置が昨年6月に成立しましたが、平成13年11月の改正で、適用期日が平成17年12月31日まで延長された上、適用対象に上場不動産投資証券(上場不動産投資法人の投資口)が追加されました。


上場株式等
上場株式、店頭登録株式、上場株式投資信託、上場不動産投資証券等
特別控除
所有期間が1年を超える上記上場株式等を証券会社等を通じて譲渡した場合の譲渡所得に適用

※特別控除を受けるには …株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書を添付した確定申告書を翌年3月15日までに税務署に提出することが必要



(3) 長期所有上場株式等の譲渡に係る暫定税率

 平成15年1月1日〜平成17年12月31日までの3年間に、その所有期間が1年を超える上場株式等の譲渡をした場合には、一定の要件の下で、その譲渡による譲渡所得等については、10%(所得税7%、住民税3%)の暫定税率により課税することとされます。なお、暫定税率の特例の適用期間中は公開株式に係る課税の特例の適用は停止されます。

 公開株式等に係る課税の特例…公開株式に対しては1/2の13%(所得税10%、住民税3%)、エンジェルに対してはさらにその1/2の6.5%(所得税5%、住民税1.5%)の税率が適用されていますが、H15〜H17は公開株式は一般と同じ10%(所得税7%、住民税3%)、エンジェルに対しては5%(所得税3.5%、住民税1.5%)

 

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