目次 V-3


3 企業年金制度への移行に伴う税制措置

 確定給付型の企業年金について、統一的な基準を定めた「企業年金法」の制定に向けて政府は準備を進めています。企業年金法は、年金受給者が将来にわたり年金受給に支障をきたさないように、積立て基準、受託者基準、情報開示基準等を定め、現行の企業年金をこれらの基準に沿って改正するものです。

 策定中の企業年金法が国会で成立しますと、確定給付型の企業年金は、「契約方式年金」、「基本方式年金」「厚生年金基金」の三つとなります。なお、企業年金法の成立に伴い、現行の適格退職年金制度は所要の経過措置を設けた上で廃止される予定です。

 企業年金法税制措置案
(1) 拠出段階
 事業主が拠出する掛金は、損金(必要経費)扱い。従業員の給与所得に算入しない。加入者本人が拠出する掛金は生命保険料控除を適用。
(2) 運用段階
 事業主が拠出する掛金及びその運用益等を対象として、退職年金等積立金に対する法人税(特別法人税)及び法人住民税を課税することになっています。(現在課税停止中。さらに2年延長されます。)
(3) 給付段階
・年金給付の老齢給付金……… 公的年金等控除を適用
・一時金払いの老齢給付金……  退職手当等とみなされます。
・障害給付金…………………… 所得税・個人住民税が課されません。
・遺族給付金…………………… 相続税法上のみなし相続財産(退職手当金等に含まれる給付)として相続税の課税対象となります。所得税・個人住民税は課税されません。


*一口情報*  中小・ベンチャー支援税制

 中小企業を取り巻く経済環境等を踏まえ、中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制、中小企業等基盤強化税制の適用期限が延長されます。
 また、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の認定研究開発等事業計画を実施する中小企業者等に係る欠損金の繰越期間の特例制度(7年)の適用期限が延長されます。

 

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