目次 I-1


I.土地住宅税制はこう変わる


1 新住宅ローン控除制度の期限6か月延長

−平成13年6月30日入居分までOK!−

 住宅ローン減税は、借入金残高に応じて所得税額を控除する制度で、平成11年度には15年間、最大で587.5万円控除する「住宅ローン控除」が新設されたところですが、適用期間は平成12年末入居分までとされており、期限の延長を望む声が各界から出ていました。今回の改正では、その求めに応じ平成13年6月末まで半年間延長されることになります。しかし平成13年7月から平成13年末までの残りの半年間の入居者については、平成10年まで実施されていた従来型の「住宅取得促進税制」が適用されることになりますので注意が必要です。

 マンションなど工事期間が長期にわたる大型物件は、適用期限を平成12年末入居分までとすると、少なくとも平成11年秋が着工期限となってしまい、平成12年以降の住宅着工が落ち込む懸念があります。そのことが、今回、景気浮揚策として半年間の延長を決めた背景となっています。

 ただ、平成13年7月以降の入居者に適用される住宅取得促進税制では控除期間が6年間と短くて控除額も圧縮され、最大でも150万円となってしまい、最大減税額は現行の4分の1程度に減ることになります。

 その他、今回の改正案では、住宅ローン債権の譲渡等が行われ、借入先が変更した場合でも引き続きローン控除の特例が適用されることが新たに付け加えられます。

現  行 改 正 案
入居期間 平成12年居住分
(注)改正はなし
平成13年居住分 平成13年1月1日から
同年6月30日までの居住分
制 度 住宅ローン控除制度 住宅取得促進税制 住宅ローン控除制度
控除対象
上限
5,000万円 3,000万円 5,000万円
控除期間 15年間 6年間 15年間
控除率
5,000万円以下の部分
1〜6年目 1%
7〜11年目 0.75%
12〜15年目 0.5%
2,000万円以下の部分
全期間 1%
2,000万円超
3,000万円以下の部分
全期間 0.5%
5,000万円以下の部分
1〜6年目 1%
7〜11年目 0.75%
12〜15年目 0.5%

注意点  平成13年7月1日から平成13年12月31日までの居住分については、現行どおりの制度が適用されます。(ただし、借入金の範囲や対象家屋の要件は、「住宅ローン控除制度」と同じです。)なお、平成12年居住分については、平成12年度改正による改正はありません。


       ■住宅ローン減税の比較■
■住宅ローン減税の比較■
(注)  譲渡損失の3年間繰越控除制度は、譲渡資産を平成11年以後に譲渡している場合は併用できますが、平成12年12月31日が適用期限(譲渡期限)となっており、平成13年以降に延長されるかどうかは今回の改正案では未定であるので御注意ください。


対象となる借入金
 住宅ローン控除の対象となる借入金は、住宅の取得又は増改築、及び住宅とともに取得をする土地等でその住宅の敷地の用に供されるものの取得のための借入金等で、償還(又は賦払)の期間が10年以上のものに限られます。
 ただし、次のものは対象とはなりません。
 勤務先などからの融資や代金債務で利息が年1%未満のもの
 勤務先から利子補給金の支払いを受けているため、自らが、実質的に負担する借入金や代金債務の利息が年1%未満となるもの


控除対象となる家屋等
(1) 新築家屋
イ. 自己の居住用であること
ロ. 自己の居住用部分の床面積が総床面積の2分の1以上であること
ハ. 家屋の総床面積が50平方メートル以上(上限はなし)
(2) 中古家屋
イ. (1)のイ〜ハのすべてを満たすこと
ロ. 建築後使用されたものであること
ハ.
耐火建築物の場合は取得の日前25年以内に建築されたものであること
耐火建築物以外の場合は取得の日前20年以内に建築されたものであること
(3) 増改築等
イ. 建築基準法上の大規模の修繕又は大規模の模様替えであること
ロ. 増改築後の家屋の床面積が50平方メートル以上であること
ハ. 工事費用が100万円を超えること

 

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