(1) |
金融所得課税の一体化の取り組みの中で「貯蓄から投資へ」の流れを促進する観点から、上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る10%軽減税率が廃止され20%本則税率が実現する際(平成24年1月1日以降の年分の予定)に、以下を骨子とする少額の上場株式等投資のための非課税措置が創設されます。 |
(a) |
居住者等(満20歳以上の者に限ります。)は、金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設できるものとされます。 |
(b) |
非課税口座とは、本措置の施行の日から5年内の各年において開設するBの非課税措置の適用を受けるための口座(一の年につき一口座に限ります。)で、その口座を開設した日からその年12月31日までに取得をする上場株式等(その取得対価の額の合計額が100万円に達するまでのものに限ります。)のみを受け入れることとされているものをいいます。 |
(c) |
非課税口座において当該口座を開設した日の属する年の1月1日から10年内に生ずる上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等に対しては、所得税及び住民税が課されません。 |
(2) |
今後、不正防止のための番号制度等を利用した適正な口座管理方法や、非課税口座の設定について要件違反があった場合における源泉徴収の取扱い等の制度設計の詳細について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置が講じられます。
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(3) |
なお、金融所得課税の一体化については、金融商品間の課税方式の均衡化や上場株式等の配当所得と譲渡所得等との間における損益通算の範囲の拡大を踏まえ、今後、税の中立性を勘案しつつ、その他の金融資産性所得も対象とした一体化について、引き続き検討が行われます。 |
◆『日本版ISA』(小口の継続的長期投資非課税制度)の創設
わが国の金融資産における現預金の比率が高い中、広く国民に株式や株式投資信託への投資に係るインセンティブを付与し、投資家の裾野を広げて「貯蓄から投資へ」の流れを一層促進し、国民が広く参加し、信頼される株式市場を構築 |
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【税制改正案】
○ |
小口投資家向けに、毎年一定額まで(上限100万円)の上場株式等への投資に対する配当所得及び譲渡所得を非課税とする |
○ |
長期安定保有を促す観点から、5年間の時限措置(毎年の投資限度額を100万円×5年間に500万円までの累積投資が可能) |
(参考) |
英国:毎年、7200ポンド(約154万円)までの投資への配当・譲渡益等を非課税とする個人貯蓄口座(ISA)制度を1999年に導入。(ISA:Individual Savings Accounts) |
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1. |
非課税対象:上場株式等の配当、譲渡益 |
2. |
毎年の新規投資額は100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可) |
3. |
非課税投資総額:500万円(100万円×5年間) |
4. |
保有期間中(最長10年間)の配当、譲渡益は非課税 |
5. |
途中売却は自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可) |
6. |
口座開設数:年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可) |
7. |
開設者 :居住者等 |
8. |
年齢制限 :20歳以上 |
9. |
導入時期 :上場株式等の配当、譲渡益に対する20%税率の適用開始時 |
(財務省資料より) |