目次 I-3


3 省エネ・バリアフリー・耐震改修工事をした場合の投資型減税制度の創設

―上限200万円(太陽光発電装置を含めば300万円)の10%を控除―
(所得税)

 既存住宅の質の向上に資するリフォーム(一定の要件を満たした省エネ改修工事・バリアフリー改修工事及び耐震改修の各工事)を行った場合に、工事に要した費用(上限:200万円)の10%に相当する額を当該年度の所得税額から控除できる投資型減税措置が創設されます。



[1]既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の創設

【省エネ改修工事】

 居住者が、その者の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件の下で、その省エネ改修工事費用(省エネ改修工事と同時に設置する太陽光発電装置の設置費用を含みます。以下同じ。)の額と当該省エネ改修工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(その金額が200万円を超える場合には、200万円とします。ただし、太陽光発電装置を設置する場合は、当該金額が300万円を超えるときは300万円とします。)の10%に相当する金額がその年分の所得税額から控除できます。

(注1)  「一定の省エネ改修工事」とは、次のものであって、その工事費用の額が30万円を超えること等一定の要件を満たすものをいいます。
工事の範囲の要件(次の(1)又は(2)のいずれか)
(1) (a)全ての居室の窓全部の改修工事 改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となるもの
(2) (a)の工事と併せて行う (b)床の断熱工事
(c)天井の断熱工事
(d)壁の断熱工事
(e)太陽光発電装置設置工事 一定の要件を満たしているもの
(注) (b)〜(e)の単独の工事は対象となりません。

(注2)  一定の省エネ改修工事の証明は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとされます。

(注3)  「標準的な工事費用相当額」とは、省エネ改修工事の改修部位ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該省エネ改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。

(注4)  平成21年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成22年分においてはその適用を受けることはできません。

(注5)  その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用できません。


【バリアフリー改修工事】

 一定の居住者が、その者の居住の用に供する家屋について一定のバリアフリー改修工事を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件の下で、(a)バリアフリー改修工事の費用の額と(b)バリアフリー改修工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(当該金額が200万円を超える場合には200万円とします。)の10%に相当する金額がその年分の所得税額から控除できます。

(注1)  「一定の居住者」とは、次のいずれかに該当する者とされます。
(a)  50歳以上の者
(b)  介護保険法の要介護又は要支援の認定を受けている者
(c)  障害者である者
(d)  居住者の親族のうち上記(b)若しくは(c)に該当する者又は65歳以上の者のいずれかと同居している者

(注2)  「一定のバリアフリー改修工事」とは、廊下の拡幅、階段の勾配の緩和、浴室改良、便所改良、手すりの設置、屋内の段差の解消、引き戸への取替え又は床表面の滑り止め化を行う工事であって、その工事費用の額(補助金等をもって充てる部分を除きます。)が30万円を超えること等一定の要件を満たすものをいいます。

(注3)  一定のバリアフリー改修工事の証明は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとされます。

(注4)  「標準的な工事費用相当額」とは、バリアフリー改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該バリアフリー改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。

(注5)  平成21年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成22年分においてはその適用を受けることはできません。ただし、平成22年において要介護状態区分等が3段階以上上昇した場合には、この限りではありません。

(注6)  その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用できません。


【省エネ改修工事とバリアフリー改修工事に係る税額控除の共通事項】

 (a) 合計控除税額

 同一年中に省エネ改修工事とバリアフリー改修工事を行い、その者の居住の用に供した場合におけるその年分の所得税額から控除する金額は、それぞれにより計算した金額の合計額(当該合計額が20万円を超える場合には、20万円とします。ただし、太陽光発電装置を設置する場合は、当該合計額が30万円を超えるときは30万円とします。)とされます。

 (b) 添付書類

 省エネ改修工事とバリアフリー改修工事に係る税額控除は、確定申告書に、当該控除に関する明細書、それぞれの改修工事に該当する旨を証する書類及び登記事項証明書等の一定の書類の添付がある場合に適用できます。

 (c) 選択適用

 省エネ改修工事とバリアフリー改修工事に係る税額控除は、I−1【1】の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除及び次のI−4にある特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用を受ける場合には適用できません。


[2] 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の要件緩和と適用期限の延長

【耐震改修工事】

 (a)  地方公共団体が作成する耐震改修計画において、補助対象が耐震診断のみの場合も含めるほか、補助金額の下限要件を撤廃することにより、適用対象区域が拡大されます。

 (b)  税額控除の対象となる金額について、住宅耐震改修に要した費用の額と当該住宅耐震改修に係る標準的な工事費用相当額とのいずれか少ない金額とされます。

 (c)  適用期限が平成25年12月31日(現行:平成20年12月31日)まで5年延長されます。

(注1)  この改正は、平成21年1月1日以後に行う住宅耐震改修について適用されます。

(注2)  住宅耐震改修工事の証明は、地方公共団体の長、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとされます。

(注3)  「標準的な工事費用相当額」とは、住宅耐震改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該住宅耐震改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。


 

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