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は じ め に

 本コンテンツは平成19年度税制改正法案に基づいて作成していますが、この法案は第166回国会(通常国会)において、3月23日に原案どおり可決成立しました。
 したがって、本コンテンツ内における表記につきましては、「現行」とあるものは「改正前」、「改正案」とあるものは「改正後」と読み替えてご利用ください。


 わが国経済は、ようやくバブル崩壊後の停滞の時代を抜け出し、輸出や設備投資と好調な企業業績に支えられ、全体として回復してきています。こんな中行われる平成19年度税制改正においては、わが国経済の足腰を強くし、経済の活性化を促進する観点から、直面する諸課題に取り組んでいます。同時に、地域格差を縮小する観点から中小企業を中心とした地域経済の活性化を図り、国民の公益に対する共助の精神をさらに引き出すほか、住宅関係等も含め国民生活に配慮する税制措置が講じられます。

 まず、本年度改正の目玉とも言える減価償却制度の見直しでは、既存の資産については償却可能限度額を撤廃、また、新規に取得する資産については法定耐用年数内での100%償却を可能とされます。

 特定同族会社の留保金課税については、資本金1億円以下の中小特定同族会社は、留保金課税の適用対象から除外されることになります。また、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、平成19年4月1日以後に開始する事業年度から、適用除外基準である基準所得金額が1,600万円に引き上げられます。

 役員給与関連では、職務上の地位の変更等により改定がされた場合の定期給与についても損金算入が可能な定期同額給与とすることが明確化され、事前確定届出給与の届出期限は、役員給与に係る定めに関する決議をする株主総会等の日から1か月を経過する日(会計期間開始後4か月まで)となります。

 会社法の施行により、平成19年5月から可能となる三角合併の課税の繰延要件については、現行の組織再編税制との整合性を図り手当てされ、合併法人の100%親法人株式を合併対価として交付する場合は税制適格合併として課税の繰延べが認められます。また、84年ぶりに改正された信託法関連では、法人税の回避を防止する観点から、その受託者に対し、受託者の信託財産から生ずる所得について一定の要件のもと法人税を課税することとなります。

 また、住宅ローン控除制度の拡充等の土地建物関係の税制も改正されます。

 ここでは、これらの改正事項を体系化・図式化し、分かりやすく解説しました。

 

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