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6 その他の改正 |
[1] 「発信主義」の適用範囲の拡大 郵送等で提出された書類について、その郵便物等の通信日付印により表示された日にその提出があったものとみなす、いわゆる「発信主義」は、従来は申告書とそれに関連する書類にしか適用がされませんでしたが、今年の税制改正では、この適用範囲が拡大され諸申請書等で国税庁長官が定めるものについてもこの発信主義が適用されることになります。
[2] 所得税の高額納税者の公示制度(長者番付)等の廃止 所得税、相続税、贈与税、法人税及び地価税の申告書に係る公示制度(例えば、例年5月に公示されている所得税の高額納税者の公示制度(長者番付)等)が廃止されます。
[3] 給与の源泉徴収票等の電子交付 給与等の支払をする者又は証券業者等は、本人の承諾等一定の要件の下、源泉徴収票若しくは給与等の支払明細書や特定口座年間取引報告書などについて電磁的方法により提供することができるようになります。
[4] 欠損法人を利用した租税回避行為の防止 欠損法人が、特定の株主等によってその発行済株式の総数の50%を超える数の株式を直接又は間接に保有された場合、その保有された日から5年以内に、従前から営む事業を廃止して、かつ、その事業規模を大幅に超える事業を開始したこと等一定の事由に該当するときは、その該当する日の属する事業年度前において生じた欠損金額について欠損金の繰越控除制度を適用しないことになります。また、当該事業年度開始の日から3年以内(その保有された日から5年を限度)に生ずる資産の譲渡等損失は損金の額に算入されなくなります。
[5] 法人税の確定申告書等の添付書類 法人の事業等の概況に関する書類が、法人税の確定申告書等の添付書類に加えられます。 [6] 非永住者制度の適正化 国外源泉所得の一部が課税所得とならない非永住者制度について、その対象者が「居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年間のうち5年以下の期間国内に住所又は居所を有する個人」というように形式基準に変更されます。
[7] 無申告加算税の整備 調査があったことにより決定があるべきことを予知して提出されたものでない期限後申告書に係る無申告加算税について、次のいずれにも該当する場合には課されないことになります。
また、無申告加算税の割合(現行15%)について、納付すべき税額が50万円を超える部分に対する割合が20%に引き上げられます。
[8] 不納付加算税の整備 調査があったことにより納税の告知があるべきことを予知して納付されたものでない法定納期限後に納付された源泉徴収国税に係る不納付加算税について、次のいずれにも該当する場合には課されないことになります。 (1) 法定納期限から1月以内に納付されていること (2) その納付前1年間法定納期限後に納付されたことがないこと等
[9] 更正の請求の後発的事由の追加 申告等に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に係る国税庁長官の法令の解釈が変更され、その解釈が公表されたことにより、その課税標準等又は税額等が異なることとなる取扱いを受けることとなったことを知った場合には、その日の翌日から2月以内に更正の請求をすることができるようになります。
[10] 環境税の見送り 環境税については、その導入が議論されていましたが、平成18年度税制改正では見送られます。 [11] 山林所得の概算経費控除率の引上げ 山林所得の概算経費控除の控除率が50%(現行45%)に引き上げられます。 [12] 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例制度の適用期限2年延長 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例制度の適用期限が平成20年3月31日(現行平成18年3月31日)まで2年間延長されます。
給与所得者等が住宅資金の貸付け等を受けた場合の課税の特例の適用期限が平成20年12月31日(現行平成18年12月31日)まで2年間延長されます。 |