目次 II-3-1


 三 会社法の制定に伴う法人税法の整備

 昨年成立した会社法は、ここ数年の商法改正の総仕上げとして、全体的な整合性を図る必要から抜本的な改正内容となっており、企業活動の基盤をなす重要な法律です。本年5月から予定されている会社法の施行に伴い今年の税制改正では、法人税等についても重要な改正が行われます。


1 受取配当等、みなし配当の取扱いの整備

 株主に対する配当は、法人税等を控除した後の利益を処分して行われますので、配当を受け取った法人において所得金額に計上すると二重課税となってしまうため、企業会計上、収益に計上していても、税務上は益金不算入とされます。

 また、配当がない場合でも解散や合併により金銭等の交付を受ければ、税務上、配当があったものとされ(みなし配当)、この金額も益金不算入とされています。


[1] 受取配当等の取扱い

 会社法の創設により旧商法における利益配当、中間配当、資本及び準備金の減少に伴う払戻金については、これらをまとめて剰余金の配当とされましたが、法人税法においてはその原資の区分に応じ、現行制度と同様、配当と資本の払戻しとして取り扱われます。


適用期日
この改正は、会社法の施行の日以後に行われる剰余金の配当について適用されます。


[2] みなし配当の取扱い

 種類株式を発行する法人が自己の株式の取得等を行った場合におけるみなし配当の額の計算についての取扱いは次のようになります。

現 行 改正案
種類株式に関して、みなし配当課税
について特段の規定はなし
みなし配当の額の計算については、
その法人の資本等の金額を株式の種
類ごとに区分して行う

適用期日
この改正は、平成18年4月1日以後に行われる自己の株式の取得等について適用されます。また、同日前に種類株式を発行している法人の資本等の金額の区分については、所要の経過措置が講じられます。

 

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