目次 PART2 2-2


 2.2 消費税のあらまし

 消費税は、消費する行為に担税力(税金を負担する能力)を認めて課税しようとする税金です。たくさん消費すればその分税負担も増えます。

 一方、消費税は、消費する人の所得や財産の大小にかかわりなく、一律に課税されてしまいます。このように消費税は、逆進性が問題となる間接税の1つです。

 また、消費税は、原則として、国内におけるすべての物品・サービスの販売・提供を課税対象とします。したがって、性格的には広く課税する“一般消費税”です。自動車税、ゴルフ場利用税といった、特定の物品やサービスを課税対象とする“個別消費税”とは大きく異なります。

 消費税の納税義務者は事業者ですが、事業者間では次から次へと転嫁され、最終的には消費者が税の負担者(担税者)になることが予定されている税金です。つまり、事業者に課される消費税は、コストとして物品・サービスの販売価格に織り込まれて転嫁され、最終的には消費者が負担することが予定されているわけです。

 税の累積を排除するために、事業者は課税売上げにかかる消費税額から課税仕入れ等にかかる消費税額を控除(前段階税額控除)し、その差額を納税する仕組みの税金です。いいかえると、事業者は、消費者から預かった課税売上げにかかる消費税額から、商品の仕入やさまざまな経費の支払時に立替えた消費税額を控除し、その差額を納税することになります。

 

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