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2 更正の請求と不服申立ての手続き |
国税通則法第23条は、納税者から過大申告等の是正を求める手続きとして、更正の請求を規定している。過少申告等の是正の手続きである修正申告(通則法第19条)には期限が設けられていないのに対し、更正の請求は、原則として法定申告期限から1年以内(*2)に限られており、期限を徒過してしまった場合、救済措置はない。 また、更正の請求という手続きは、申告の確定手続きではなく、あくまでも減額更正の職権の発動を求める権利であり、税額を確定させる効力を有しない(修正申告は税額を確定させる効力を有する)。
1 更正の請求ができない事項 更正の請求は法定申告期限から1年以内に行うことができるが、「当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあった」場合にのみ行うことができることに留意されたい。 2 後発的事由に基づく更正の請求 国税通則法第23条第2項は、法定申告期限から1年を経過した後であっても、次に掲げる事由が発生した場合には、その事由の発生した日の翌日から起算して2か月以内に限り、更正の請求を認めている。
納税者が更正の請求を行った場合、通常、税務署において所要の調査が行われ、減額更正処分または更正をすべき理由がない旨の通知処分が行われる(通則法第23条第4項)。場合によっては、調査により、納付すべき税額が増加したとして、増額更正処分がなされることもある。 この、「更正をすべき理由がない旨の通知書」を受け取り、不服である場合にも、「更正処分」に対する不服申立手続きと全く同様の手続きをとることができる。 訴えの利益を逸しないために、両処分に対し不服申立ての手続きをとることが望ましいと考える。 |