目次 I−3


3 取締役の職務

 取締役の最も重要な職務は取締役会に出席して、業務執行の意思決定に参加することである。
 取締役は業務執行を行う。
 取締役会は取締役の業務執行を監督する。

(ここでは、特に断りのない限り取締役会設置会社を前提とします。)


1 意思決定

 取締役の最も重要な職務は、取締役会に出席し決議に参加して意思決定を行うことです。会社経営上の重要な事項は取締役会で決議し、取締役個人が決定することはできません。


2 業務執行

 業務の意思決定は会議体である取締役会で決定しますが、実際の業務の執行は取締役会からその権限を委譲された代表取締役やその他のいわゆる役付取締役である業務担当取締役によって行われます。


3 監督

 取締役会は実際に業務を執行する代表取締役や業務担当取締役を選任しますが、それで取締役の職務が終了するわけではなく、取締役会はその業務執行状況を監督する義務があります(会362マル数字2ii)。


4 委員会設置会社の取締役の職務

 委員会設置会社の取締役は、会社法または会社法に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、会社の業務を執行することができません(会415)。取締役は、取締役会を通じて、[1]会社の業務執行の決定、および[2]執行役等(執行役および取締役をいい、会計参与設置会社の場合には、執行役、取締役および会計参与をいう)の職務の執行の監督の各職務を行い(会416マル数字1)、委員会の委員を兼務する場合には、その職務を行います。委員会の要求があったときは、当該委員会に出席し、当該委員会が求めた事項について説明をしなければなりま せん(会411マル数字3)。

 

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