目次 第1章−第2節 2


設例8  自ら使用している宅地と使用貸借により貸し付けている宅地がある場合

 被相続人甲は、次のA宅地とB宅地とを所有しています。A宅地は自ら居住用として利用していました。また、隣接するB宅地は、使用貸借により甲の長男乙に貸し付け、乙が利用していました。

 この場合、相続税の評価は、A宅地及びB宅地それぞれごとに行うのでしょうか。



解 説

 使用貸借により貸し付けられている土地は、相続税評価上は自用地として扱われますので、A宅地及びB宅地が同一の相続人により取得された場合には、1画地として1評価単位となります。したがって、この場合にはA宅地及びB宅地を合わせて1評価単位となります。

[3] 借地権の目的となっている宅地

 借地権または定期借地権等の目的となっている宅地は、同一人に貸し付けられている部分ごとに1画地と判定します。

 したがって、次の図のような宅地については、A宅地、B宅地ともに他人の借地権が存し、いずれも貸宅地として利用していますが、借地権者が異なることから、それぞれを1画地の宅地と判定します。


 また、次の図のように自用地と借地権の目的となっている宅地とが隣接している場合には、自用地部分及び借地権の目的となっている部分それぞれが1画地となります。


[4] 貸家建付地

 貸家建付地とは、貸家の敷地の用に供されている宅地をいいます。

 貸家が数棟ある場合には、貸家建付地は原則として各貸家の敷地ごとに1画地として判定します。

 次の図の場合には、それぞれの貸家の敷地ごとに1画地として評価の対象とします。

 

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