目次 第1章 第2節 2


2 評価単位(評価通達7−2)

 評価単位とは、各地目ごとの評価の対象となる単位をいいます。

 つまり、各土地は原則として地目別に区分し(評価上の区分)、さらに各地目ごとの土地を評価単位に区分して、それぞれの評価単位ごとに評価することになります。

 各地目ごとの評価単位は、次のようになっています。


(1) 宅地

 宅地は、1画地の宅地を評価単位とします。

 ここで、1画地とは、利用の単位となっている1区画の宅地をいい、具体的にはその利用状況によって、次のとおり判定します。

[1] 異なる権利の対象となっている部分ごとの評価

 評価する宅地のうちに、自用地の部分、借地権の目的となっている部分、貸家建付地となっている部分がある場合には、これらをそれぞれ別個に区分して評価します。

 次の図の場合には、aは土地所有者である甲自らが土地及び建物を利用しているため自用地になります。bは土地及び建物ともに甲が所有していますが、建物を借家人乙に貸しているため貸家建付地になります。また、cの部分は丙の借地権が設定されていることから、借地権の目的となっている土地になります。これらのことから、a、b及びcの各部分は、それぞれを別個に区分して評価することになります。


 自用地、借地権の目的となっている宅地及び貸家建付地のそれぞれが複数ある場合には、これらの内での「利用の単位となっている1区画の宅地」は次のとおり判定します。

[2] 自用地

 自用地とは、所有する宅地を自ら使用する場合をいいます。つまり、自用地とは宅地の使用収益を制限する他者の権利がない宅地をいいます。

 自用地に該当すれば、その全体が1画地となります。

 次の図では、事業用に使用している宅地と居住用として使用している宅地が隣接していますが、これらは自ら使用する宅地ですので、すべて自用地に該当します。そうすると、これらの宅地を同一の相続人が取得した場合には、これら全体で1画地、つまり1評価単位となります。


 なお、親族等に対して無償又は公租公課以下の賃料で使用させている場合(使用貸借)には、他者の権利の存在しない土地、すなわち自用地として判定することになります。これは、使用貸借権は、相続の対象とならず、また交換価値もない極めて弱い権利であるため、評価上考慮する必要のない権利と考えられているためです。

 ただし、過去に贈与税の課税が行われた使用貸借に係る宅地については、借地権の目的となっている宅地として評価します。

 

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