目次 II-2


2.非課税取引

 前述の消費税の課税対象となる4要件を満たしている場合でも非課税となる取引があります。これは取引の中には消費に負担を求める税としての性格からみて、課税対象とすることになじまないものや、社会政策的観点から課税することが適当でないものがあり、このような取引については、非課税取引として消費税を課税しないことになっています。






















(1) 土地の譲渡、貸付けなど
貸付け期間が1か月未満や、駐車場等の施設の貸付けは課税対象
(2) 有価証券、支払手段の譲渡など
収集品である紙幣、コインやゴルフ会員権は課税対象
(3) 利子、保証料、保険料など
保険代理店の受け取る代理店手数料などは課税対象
(4) 郵便切手、印紙などの譲渡
購入した切手は使用して郵便サービスを受けた時点で課税仕入れとなる
(5) 商品券、プリペイドカード、物品切手等の譲渡
商品券、ビール券、図書券、パスネットなど
(6) 住民票、印鑑証明など行政手数料など
法令に基づいて行われる国や地方公共団体の手数料など
(7) 国際郵便為替、外国為替など
外国為替取引、信用状、旅行小切手など
         











(1) 社会保険診療報酬など
健康保険法に基づかない自由診療報酬は課税対象
(2) 社会福祉事業など
居宅介護サービスや施設介護サービス、第1種・第2種社会福祉事業等
(3) お産費用等
医師等による妊娠しているか否かの検査も含む
(4) 埋葬料、火葬料
葬儀費用などは課税対象
(5) 一定の身体障害者用物品の譲渡、貸付けなど
義肢、盲人安全つえ、義眼、点字器、車いす等で厚生労働大臣が指定したもの
(6) 一定の学校の授業料、入学金等
入学検定料、施設設備費、在学証明手数料などを含む
(7) 教科用図書の譲渡
いわゆる検定済教科書
(8) 住宅の貸付け
一戸建て住宅、マンション、アパート、社宅、寮などの家賃


【参考1】 課税売上げ・非課税売上げ判定表
 ここで売上げ・収入が消費税の課税対象に該当するかどうかの判定の目安を掲げておきます。
 なお、消費税における課否判定は取引ごとに行い、勘定科目で行うものではありません。したがって次の表はあくまでも一つの「目安」であることに留意してください。

記号の意味 ○… 国内における課税資産の譲渡等(課税売上げ)
■… 国内における非課税資産の譲渡等(非課税売上げ)
△… 国内における課税資産の譲渡等のうち免税となるもの(免税売上げ)

科 目 判定 説 明 等
商品売上高  国内で対価を得て行った資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に係るものが課税の対象になります。
 ただ、輸出売上げは免税取引となります。




















(注) 輸出に関連した取引であっても国内の商社等を通じて輸出する、いわゆる間接輸出に係る売上げは国内取引に該当する通常の売上げとして課税の対象になります。
(注) 土地の賃貸収入のうち一時預りの駐車場収入やテニスコート、野球場等の使用料収入は課税の対象となります。

(注) 対価の返還としてそれに対応する消費税は売上げに係る消費税額から控除できます。
製品売上高
加工賃収入
受取販売手数料
完成工事高
運送収入
受取倉庫料
受取利息
人材派遣料収入
請負収入
輸出売上高
間接輸出売上高
土地売上高
土地賃貸収入
賃貸住宅収入
貸ビル賃貸収入
一時預り駐車場収入
ガレージ収入
事務所用建物賃貸料
建物共益費収入
不動産仲介・斡旋料
売上返品
売上値引き
売上割戻し

 

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