目次 Q6-1


6 譲渡所得と生計一に関するQ&A

Q6−1  親族間の不動産売買に係る特例制限

  不動産売買を生計一である親族間で行った場合に制限を受ける規定には、どのようなものがありますか。




 適用に制限がある特例は、次のとおりです。

(1)  居住用財産の3,000万円特別控除(措法35)
(2)  特定の居住用財産の買換え・交換の特例(措法36の2)
(3)  居住用財産の長期譲渡所得に対する軽減税率(措法31の3)
(4)  居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5)
(5)  特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5の2)

 譲渡した相手方が次のいずれかに該当する場合には、上記規定の適用を受けることはできません。

 (1)  その譲渡者の配偶者及び直系血族(父母・子・孫・祖父母など)

 (2)  (1)以外のその譲渡者と生計を一にする親族

 (3)  譲渡者の親族で、家屋の譲渡がされた後、その譲渡者とその家屋に居住をする人

 (4)  譲渡者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人及びその人の親族でその人と生計を一にしている人

 (5)  (1)から(4)以外の人及びその譲渡者の使用人以外の人で、その譲渡者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している人及びその人の親族でその人と生計を一にしている人

 (6)  譲渡者、譲渡者の(1)〜(3)の親族、譲渡者の使用人もしくはその使用人の親族でその使用人と生計を一にしている人又は(4)(5)に該当する人を判定の基礎となる株主等とした場合に、これらの人の所有する株式数等の合計が発行済株式の総数の50%を超える法人

 また、時価よりも低い価額で不動産等を譲渡(低額譲渡)した場合、利害関係のない第三者間などであれば、よほどの恣意性が認められない限り、税務上その取引は認められますが、親族間において低額譲渡を行った場合は、その不動産の時価と譲渡対価の差額は贈与税の課税対象となるので注意が必要です。

 なお、同種の固定資産を交換した場合の特例(所法58)については、特に交換の相手方に制限はないため、生計一親族間における交換であっても特例の適用を受けることができます。

 

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