目次 II-5(1)


5.特殊な状況における宅地の評価

 以上、通常の場合の宅地の評価の方法を説明しましたが、実際には土地の利用状況や土地の形状には様々なものがあります。以下では、個別の土地の利用状況や土地の形状ごとに基本的な評価方法を説明します。

(1) 私道の用に供されている宅地

 私道の用に供されている宅地は、その私道の利用状況によって以下のように評価します。

 (1) 特定の者の通行の用に供される私道…… その私道を1画地として評価した価額の30%。ただし、特定路線価の付されている私道については、特定路線価の30%の価額で評価することができます。
 (2) 不特定多数の者の通行の用に供される私道…… 評価しません(零と評価する)。

 この場合、「不特定多数の者の通行の用に供される私道」とは、通り抜けのできる私道のほか、行き止まり私道であっても、その私道を通行して公共施設や商店街等に出入りされている場合や私道の一部にバスの停留所が設けられている場合など、その私道に面する建物の利用者以外の者の通行の用にも供されているような、ある程度の公共性が認められるものであると考えられます。

(1)に該当 (2)に該当

 また、次のようにA、Bの所有者がBを使用する際にA部分を通路としている場合は、A部分は私道ではなく、A+Bを自用地として一体評価することになります。

 

 

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