目次 I-1


I.土地を評価する場合の基本的な事項

1.土地の利用状況と地目(用途)

 最初に、土地を評価する上で基礎的な事項になる「地目」「地積」「土地の上に存する権利」「共有」「区分所有」について解説します。

 土地を評価するためには、評価する土地を特定しなければなりません。
 つまり、これが評価する土地であると区画する必要があります。
 所有している土地を1つのものとして評価するのは、土地が地理的に1つのものであり、かつ利用状況が同じ場合です。
 例えば、次の図のように地理的には1つの土地であっても、用途が畑と宅地といったように、その用途が違う場合は、2つの土地として別々に評価することになります。

 この用途のことを「地目」といいます。地目は、土地登記簿や固定資産税評価上の地目に関係なく、評価時点の現況に従って判定します。

 地目は、次の9種類がありますが、その各々について、評価方法が違います。

種  類 用    途
(1) 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
(2) 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
(3) 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
(4) 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
(5) 原野 耕作の方法によらないで雑草、灌木類の生育する土地
(6) 牧場 獣畜を放牧する土地
(7) 池沼 灌漑用水でない水の貯溜池
(8) 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む)の湧出口及びその維持に必要な土地
(9) 雑種地 上記のいずれにも該当しない土地

 ただし、一団の宅地造成事業を施行するために買収した土地は、通常、複数の地目が混在していますが、その場合は、買収済みの一団の土地ごとに評価します。
 これは、買収した土地は、地目が農地や山林であっても、既に農地等としての効用を果たしていないため、地目により評価単位を判定することは、かえって実情に即さないからです。
 また、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、市街地農地(生産緑地を除きます)、市街地山林、市街地原野又は近傍類似の宅地と比準する評価方法をとる雑種地のいずれか2以上の地目の土地が隣接しており、その形状、地積の大小、位置等からみて、これらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価します。

 

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