目次 I-3


3.土地の上に存する権利の評価

 土地評価を難解なものにしているものの一つに「土地の上に存する権利」があります。これは土地そのものではないが、土地と同等の価値があるものとして評価しなければならないものです。次の10の権利がこれに該当します。

区  分 内 容 若 し く は 例 示
(1)地上権 他人の土地において工作物又は竹木を所有するために、その土地を使用する権利(区分地上権、借地権及び定期借地権等を除く)
(2)区分地上権 地下又は空中の地上権  トンネルに関する地下の地上権が多い
(3)永小作権 小作料を支払って他人の土地を耕作又は牧畜をする権利
(4) 区分地上権に準ずる地役権
特別高圧架空電線の架設若しくは高圧ガス導管の敷設、飛行場の設置等の目的のために地下又は空中に上下の範囲を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するもの
(5)借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権(定期借地権等を除く)
(6)定期借地権等 借地契約の更新がなく、契約期間満了により確定的に借地権が消滅するもので、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権及び事業用借地権がある
(7)耕作権 農地又は採草放牧地の上に存する賃借権
(8)温泉権 鉱泉地において温泉を排他的に利用できる権利(引湯権を含む)
(9)賃借権 賃貸借契約に基づき賃借人が目的物たる土地を使用収益することができる権利(借地権、定期借地権等、耕作権及び温泉権を除く)
(10)占用権 河川法の河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利若しくは道路法の道路の占用の許可又は都市公園法の都市公園の占用の許可に基づく経済的利益を生ずる権利で所定のもの

 

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