目次 II-4


II−4 認定NPO法人とは

Question
認定NPO法人とは、どういうものをいうのでしょうか。


Answer

 認定NPO法人とは、特定非営利活動法第2条2項に規定するNPO法人のうち、その運営組織や事業活動が適正かつ公益の増進に資することにつき一定の要件を満たしていることについて国税庁長官の認定を受けているものをいいます。

 NPO法人の活動は、資金力がないために限定したものとならざるをえない面があります。そこで外部からより多くの寄付が集まるようにするためには、寄付をする側において、税制上の恩典があれば、その寄付行為を促進することができるであろうということから、適正な運営が行われており、公益性が高いことについて国税庁長官の認定を受けたNPO法人に対しての寄付は、特定公益法人に対して寄付をした場合と同様の税制上の恩典を寄付をした側に与えようと平成13年10月1日から施行された税法上の特例措置です。したがって収益事業を行った場合の税率などNPO法人自身の負担すべき税金に対しての恩典はありません。

 なお、認定の有効期間は、国税庁長官の定める日から2年間で、認定期間の延長や更新の手続はありませんので、継続して認定を受けたい場合には、有効期間が終了する前に再度申請を行って認定を受ける必要があります。

 税法上の特別措置は、具体的には次の3つがあります。

(1)  個人が支出した認定NPO法人への寄付金は、特定寄付金として、寄付をした個人の寄付金控除の対象になります。
(2)  法人が支出した認定NPO法人への寄付金は、特定公益増進法人等に対する寄付金との合計額に対し、一般の寄付金に係る損金算入限度額とは別枠で同額の損金算入限度額が認められます。
(3)  相続又は遺贈により相続財産を取得した者が、相続税の申告期限までに認定NPO法人にその相続財産を寄付した場合には、一定の条件のもとに、その寄付をした財産は相続税の課税の対象から除かれます。

 現在の認定NPO法人制度は、その要件が厳しく、多くのNPO法人は適用を受けることができないため、「絵に描いたもち」にすぎないとの批判もあります。今後多くのNPO法人が認定を受けることができる制度へと改正されていくことを期待したいと思います。

 

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