目次 16


16 遺族厚生年金の改正


Question
 今回の改正で、遺族厚生年金が途中で打ち切りになるケースがあると聞きましたが、どういうことでしょうか。



Answer

 遺族厚生年金の受給要件を満たす場合で、夫の死亡時に30歳未満である妻に、一定要件の子ども(養子を含む)がいない場合、遺族厚生年金の受給は5年間の期限付きになります(平成19年4月から)


 1 遺族厚生年金とは

 遺族厚生年金は厚生年金に加入している夫が亡くなったときに、残された妻等に支給されています。妻は、再婚をしなければ、終身年金で一生受給できます。

子のない妻

子のある妻

子のある妻の場合には、原則として子が18歳の年度末に達するまで、遺族厚生年金に遺族基礎年金が加算されます。


 2 年金額

 亡くなった夫の老齢厚生年金{(報酬比例部分)厚生年金加入期間分}の4分の3に相当する額です。また、現在は夫死亡時に原則として妻が35歳以上で子がいなければ、40歳から65歳まで「中高齢寡婦加算」(年額596,000円)が加算されています。


 3 改正後の遺族年金(平成19年4月から)

 夫の死亡時に30歳未満で子ども(養子を含む)がいない場合は、遺族厚生年金は5年間の期限付きになります。

夫の死亡時に子のいない30歳未満の妻

 したがって、妻が30歳未満でも子どもがいる場合は、今までどおり遺族厚生年金を受給することができます。

 また、遺族厚生年金に上乗せする「中高齢寡婦加算」(年額596,000円)も年齢制限が厳しくなり、夫の死亡時に40歳以上の妻しか加算の対象になりません(平成19年4月から)。

 

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