目次 第一章−2


2 年末調整の対象となる人・ならない人


ポイント
 年末調整は、扶養控除等申告書の提出者で、給与の収入金額が2,000万円以下の人について行います。


 年末調整は、本年最後の給与を支払う時において、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下「扶養控除等申告書」といいます。)を提出している人で、本年中に支払うべきことが確定した給与の総額(本年中途で就職した人で、その就職前に他の給与の支払者に「扶養控除等申告書」を提出して給与の支払を受けていた人については、その給与を含めた総額)が2,000万円以下である人を対象にして行います。したがって、年末調整の対象とならない人は、これに該当しない人といえますが、それだけで単純に区分することはできません。

 年末調整の対象となる人とならない人の区分をまとめますと、次のようになります。


年末調整の対象と
なる人
 次のいずれかに該当する人((1)〜(4)のいずれかに該当する人のうち、同時に(5)(6)(8)(11)のいずれかに該当する人を除きます。) 
 (1)  1年を通じて勤務している人
(2)  年の中途で就職し、年末まで勤務している人
(3)  年の中途で退職した人のうち、
   死亡により退職した人
   著しい心身の障害のために退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職することができないと見込まれる人
   12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人
   いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、次の要件を満たしている人
    (イ)  その年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下であること
    (ロ)  退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受ける見込みがないこと
(4)  年の中途で、1年以上の予定で海外の支店などに転勤した人
年末調整の対象と
ならない人
 次のいずれかに該当する人
(5)  本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人
(6)  災害により被害を受けて、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」により、本年分の給与に対する源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予又は還付を受けた人
(7)  年の中途で退職した人で、(3)以外の人
(8)  2か所以上から給与の支払を受けている人で、他の給与の支払者に「扶養控除等申告書」を提出している人(月額表又は日額表の乙欄適用者)
(9)  継続して同一の雇用主に雇用されないいわゆる日雇労働者など(日額表の丙欄適用者)
(10)  日本に住所又は1年以上の居所のない人(非居住者)
(11)  年末調整を行う時までに「扶養控除等申告書」を提出していない人

(注1)  「扶養控除等申告書」は、扶養親族等がない人でも、原則として提出しなければなりませんので、まだ提出していない人については、年末調整の時までに提出するよう指導してください。
 この申告書を提出することができないのは、上記の(8)〜(10)のいずれかに該当する人だけです。
(注2)  年末調整の対象とならない人は、自分で確定申告をして税額の精算をすることになりますから、このような人には期限までに確定申告をするよう指導してください。
(注3)  年末調整では控除できない医療費控除や初めて住宅借入金等特別控除の適用を受ける人などは、税額の還付を受けるための確定申告をすることができます。

 

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