目次 IV-3


3 非居住者の定義

ポイント
 ・ 「居住者以外の個人」を「非居住者」といいます。
 ・ 「居住者」、「非居住者」の判定は、国籍ではなく、日本国内に住所があるか否か、または日本国内に1年以上継続して居所があるか否かで行います。


1 非居住者とは

 「非居住者」とは、「居住者以外の個人」をいいます(所法2丸数字1五)。

 「居住者」は、「日本国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」とされていますから、「非居住者」は次のいずれかに該当する者ともいえます(所法2丸数字1三)。

 a 日本国内に住所も居所も有していない人
 
 b  日本国内に住所がなく、かつ、日本国内に引き続き居所を有している期間が1年に満たない者

 そのため、必ずしも「外国籍を有する者→非居住者」、「日本国籍を有する者→居住者」ということはなく、「外国籍を有する者→居住者」、「日本国籍を有する者→非居住者」といったケースも考えられます。

 ※ ちなみに、「住所」または「居所」については、以下のように考えることになります。

(1) 住 所

 「住所」とは、各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは、客観的事実によって判断することになります(所基通2−1)。

(2) 居 所

 「居所」とは、その人の生活の本拠ではないものの、その人が多少の期間継続して居住する場所をいいます。


2 国内及び国外にわたって居住地が異動する場合

 国内及び国外にわたって居住地が異動する者については、以下のように取り扱うものとします。

(1) 日本国内に住所を有するものと推定する場合

 国内に居住することとなった個人が、次のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定します(所令14)。

 a  その者が国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること

 b  その者が日本国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有すること、その他国内におけるその者の職業、及び資産の有無等の状況に照らし、その者が国内において継続して1年以上居住するものと推測するに足りる事実があること

(2) 日本国内に住所を有しないものと推定する場合

 国外に居住することとなった個人が、次のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定します(所令15)。

 a  その者が国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること

 b  その者が外国籍を有し、または外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないこと、その他国内におけるその者の職業、及び資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと

(3) 船舶、航空機の乗組員の住所

 船舶または航空機の乗組員の住所が国内にあるかどうかは、その者の配偶者その他生計を一にする親族の居住している地、またはその者の勤務外の期間中、通常滞在する地が国内にあるかどうかにより判定します(所基通3−1)。

(4) 学術、技芸を習得する者の住所

 学術、技芸の習得のため国内または国外に居住することとなった者の住所が国内にあるかどうかは、その習得のために居住する期間、その居住する地に職業を有するものとして、上記(1)または(2)のとおり取り扱うものとします(所基通3−2)。


5 在留期間の定めがない者の住所

 国内または国外において事業を営み、もしくは職業に従事するため、国内または国外に居住することとなった者は、その地における在留期間が契約等によりあらかじめ1年未満であることが明らかな場合を除き、上記(1)または(2)のとおり取り扱うものとします(所基通3−3)。

 

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