目次 II-3


3 モデル条約

ポイント
 ・ 租税条約の雛形のことです。
 ・ 大別して、OECDモデル条約と国連モデル条約の2つがあります。
 ・ 実際に効力を有するものではありません。


1 モデル条約の意義

 租税条約を各国がそれぞれ規定してしまうと、納税者に混乱を与えてしまうような複雑な制度になりかねません。そこで、雛形となるモデル条約を作成しようという動きが広がり、1928年に最初のモデル条約ができました。その後幾度となく改定が行われて現在に至っています。

 では、それぞれについて簡単に触れておきましょう。


2 OECDモデル条約

 このモデル条約は、OECD(経済協力開発機構)が作成した雛形です。OECDの加盟国には先進国が多いことから、主に先進国同士で租税条約を締結する際の雛形として位置づけられています。


3 国連モデル条約

 国際連合が作成した雛形であり、源泉地国である開発途上国の課税権により配慮した内容となっています。OECDモデル条約が主に先進国間のものと位置づけられているのに対し、国連モデルは先進国と開発途上国間のものと位置づけられていますが、現在ではOECDモデル租税条約を利用するケースが多く、国連モデルをベースとするケースはあまり見られません。

【OECDモデル条約条項一覧】
第1章 条約の範囲
  第1条 人的範囲
  第2条 対象項目
第2章 定 義
  第3条 一般的定義
  第4条 居住者
  第5条 恒久的施設
第3章 所得に対する課税
  第6条 不動産所得
  第7条 事業所得
  第8条 海運、内陸水路運輸及び航空運輸
  第9条 特殊関連企業
  第10条 配 当
  第11条 利 子
  第12条 使用料
  第13条 譲渡収益
  第14条 自由職業所得[削除]
        (2000年削除)
  第15条 給与所得
  第16条 役員報酬
  第17条 芸能人
  第18条 退職年金
  第19条 政府職員
  第20条 学 生
  第21条 その他所得
第4章 財産に対する課税
  第22条 財 産
第5章 二重課税排除の方法
  第23条(A) 免除方式
  第23条(B) 税額控除方式
第6章 雑 則
  第24条 無差別取扱い
  第25条 相互協議
  第26条 情報交換
  第27条 徴収共助
  第28条 外交官
  第29条 適用地域の拡張
第7章 最終規程
  第30条 発 効
  第31条 終 了

 

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