Q1 |
Q1 外形標準課税とは? |
外形標準課税とは、事業所の床面積や従業員数、資本金等及び付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を算定する課税方式のことです。 そもそも法人事業税は、法人の行う事業そのものに課される税であり、企業はその活動を行うにあたって地方自治体から各種の行政サービスの提供を受けています。このためこれに必要な経費を分担すべきであるという考え方にもとづく税です。必要な経費の分担という意味において所得のみを基準とする従来の方式には問題があり、法人の事業の規模ないし活動量を基準に課税するという外形標準課税が求められていました。 1.地方分権を支える安定的な地方財源の確保 地方自治体は警察・防災、産業・都市基盤整備、環境保全、教育、福祉など地域住民に密着した幅広いサービスを提供しています。これらのサービスを安定的に供給するためには、それに見合った地方自治体独自の自主財源を確保し、地方自治体の税収の安定性を確保する必要が生じます。しかし従来の法人事業税は、原則として法人の所得を課税標準としていたため、都道府県税収は好景気のときには大きくなるものの、不景気のときにはマイナスとなり、景気変動によって大きな影響を受けてきました。このため、景気の状況に左右されない外形基準の必要性が生じ、今回の改正となりました。 2.応益課税としての税の性格の明確化 また、法人が事業活動を行うに際して、様々な形で地方自治体が提供する行政サービスを受けていることに着目して、事業そのものに対して課される税が法人事業税です。したがって、法人事業税の負担は所得の有無や大きさに関係なく、赤字法人であっても、事業活動の規模に応じてすべての法人の間で分担することが求められています。 3.税負担の公平性 法人が享受する受益の大きさは、その法人の事業活動の規模に応じていると考えることができます。したがって税負担の公平性を確保するためには、その地方行政サービスを利用しているすべての法人が、その事業規模に応じて税を負担することが必要となります。従来は、法人所得を課税標準としていたため、欠損を生じている赤字法人の税負担はゼロとなっており、事業活動規模が大きくても、所得の少ない法人の納税額は、低い水準に抑えられていました。 4.経済構造改革の促進 所得を課税標準とする場合、法人が経費削減や人件費の抑制などによって、企業が収益体質を強化しようとしても、税負担がかえって重くなり、コスト削減の効果が税引後利益の改善に結びつかずリストラ効果が弱められることも否定できません。 これらより、望ましい「外形基準」として、次の基準が要求されます。
これらにもとづき、平成16年4月1日から、資本金1億円超の法人を対象に外形標準課税が導入・施行されました(当面中小企業は対象外)。その外形標準課税の概要は以下のとおりです。
|