目次 IV-Q19


Q19 公的助成金

Question 公的助成金にはどのようなものがありますか。また、それらを活用する場合の留意点について教えてください。

Answer
ポイント
(1) 会社が雇用保険関係の助成金を受けるためには、その会社が雇用保険に加入することが必要です。
(2) 助成金の種類には、「創業・異業種進出による人材確保」「労働環境の改善」「高齢者・障害者の雇用」等に関するものがあります。


 解 説 ▼
【1】助成金を受けるための要件

 公的助成制度には、雇用保険関係や融資関係、研究開発関係のものがありますが、最近は雇用保険関係の助成金が充実されてきていますので、それについて説明します。

 現在の厳しい経済環境においては、社員のキャリアアップを図るのも会社の経営戦略の1つです。また、人員削減をしないと生き残れない会社があることも事実です。一方で、既存の事業だけでなく、異業種・異分野への進出を選択する会社もあります。これらのすべての局面で助成金は存在します。

 助成金の原資は、税金ではなく会社が納めた雇用保険料の一部です。助成金を利用するという行為は、会社にとって権利であるとともに義務の面があるといえます。

 そのため、会社は雇用保険の加入手続をとっていないと、受給することはできません。また、助成金をもらうには、労働基準法・労災保険法・雇用保険法などに基づき、事務処理が行われていることが前提ですので、普段から、労働者名簿・出勤簿・賃金台帳・就業規則などの整備が必要です。

【2】助成金の種類

 助成金の種類には次のようなものがあります。

助成金の種類 助成金がもらえる場合
中小企業雇用創出人材確保助成金 創業や異業種進出を行い、社員を雇用した場合
中小企業雇用創出等能力開発助成金 創業や異業種進出のため、社員教育訓練を行った場合
キャリア形成促進助成金 社員のキャリア形成の効果的な促進のため、会社が社員に対しアクションを起こした場合
労働移動支援助成金 再就職援助計画の対象者となる社員をスムーズに離職させる場合、または、対象者を雇用し講習を行った場合
パートタイム助成金 パートタイマーやアルバイトの社員に福利厚生制度を実施するなど、他の会社のモデルとなる取組みを行った場合
新規・成長分野雇用創出特別奨励金 新規・成長分野の会社が公共職業安定所などの紹介により社員を雇用し、あるいは能力開発を実施した場合
継続雇用制度助成金 定年の引上げ、勤務延長、再雇用、在籍出向により、希望者全員を61歳以上の年齢まで雇用する制度を導入した場合
特定就職困難者雇用開発助成金 14日以上の長期休暇制度を導入した場合
雇用調整助成金 事業縮小のため、社員を休業・教育訓練・出向させた場合
育児両立支援奨励金 育児と仕事を両立しやすい制度を導入し、社員が利用した場合
育児・介護休業者職場復帰プログラム実施奨励金 育児・介護休業者の職場復帰をスムーズに行う措置を取った場合
中小企業雇用環境整備奨励金 人材確保のため、魅力ある職場づくりを行った場合
(平成14年6月末現在)

 

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